『ネクタイを締めた百姓一揆』
5月1日(土)よりシネ・ヌーヴォ、
5月22日(土)より神戸アートビレッジセンター
順次、アップリンク京都にて公開
岩手県にある新幹線の「新花巻駅」を開業するため
地元で戦った多くの人たちの14年間の活動を描いた群像劇。
監督は独学で映画制作を始め、多くの映画祭に入選歴を持ち、
今は岩手県紫波町に在住の河野ジベ太。
日本国有鉄道（国鉄）は、1971年（昭和46年）10月
新たに東北新幹線基本工事計画を発表した。
日本中が期待が寄せられていた計画だった。
岩手県内での停車駅候補は、盛岡駅・一ノ関駅ともう1駅、
花巻か北上か水沢が候補地に挙がったが最終決定は北上。
花巻市内は市中心部から外れた矢沢地区を通過するという。
花巻市民の期待は大きかっただけにショックも大きかった。
この事態に逆に奮起した者がいた。市民有志が立ち上がり、
「東北新幹線問題対策花巻市民会議」を発足したのだ。
駅設置に向けて奔走するのだが一度決まったこと、
なかなからちが明かない。岩手県知事に掛け合い
少しは前進したかに見えたが、上京して国鉄本社に乗り込み
直談判にまで行くがにべもなく追い返されてしまう。
地権者は信用してくれない、第一次オイルショック、
国鉄労働組合のスト権スト、分割民営化・国鉄離れなど時代の
大波をかぶりながらも会のメンバーはあきらめず奔走。
花巻の住民の声は国鉄に送り続けられ、やがて
地権者の信用も取り付け、東北新幹線開業から3年。
1985年（昭和60年）に悲願の「新花巻駅」が設置されたのである。
実話の映画化。映画製作も内容も初志貫徹の粘り強さに頭が下がる。
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