映画『いつくしみふかき』
7月24日(金)よりテアトル梅田、順次、京都みなみ会館、
神戸アートビレッジセンターにて公開
人生を狂わされた人々の悲しみの人間ドラマ。
30年前、村に流れてきて居着いた素行の悪い広志は
村の加代子と結婚し、こともあろうに妻の出産中に
自分の実家に空き巣に入り金を盗もうとした。
広志は集団リンチの末、「悪魔」として村を追い出された。
残された加代子は進一を生むが、「悪魔」(広志)の子として
いじめられ引きこもっていた。父親のことを一切知らされず、
甘やかされ、歪められ、30歳になった進一は
内向的で何もできない男に育った。
仕事も長続きせず、ダメな大人だった。
ある日、連続空き巣事件が起こり村の人々は
進一が犯人だと決めつけた。
いたたまれなくなった進一は叔父で牧師の源一郎の教会を頼って住む。
そこへ、人生に失敗した中年が転がり込んで来た。
それは、進一の人生を狂わせた本人、父親の広志だったのだ。
父とは知らない進一、進一を息子と気づかない広志の
不思議かな関係が始まるのだが……、
「劇団チキンハート」主宰の俳優・遠山雄の
知人の体験した実話をもとにしたストーリー。
遠山雄自身が進一を演じている。
主演はこれが映画初主演の渡辺いっけい。
誰もが悲惨で悲しみを孕んでいるが、その中にあって
希望が感じられる作品に仕上がっている。
ラストのイメージは挿入される赤ちゃんの頃のイメージも含めて
素晴らしい。「許し」とは何なのか考える作品である。
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