「プリズン・サークル」

「プリズン・サークル」
2月8日より第七藝術劇場、京都シネマ、順次元町映画館
取材許可にこぎつけるまでに6年、撮影に2年をかけ、
初めて日本の刑務所の中にカメラを入れたドキュメンタリー映画。
監督は「Lifers ライファーズ 終身刑を超えて」
「トークバック　沈黙を破る女たち」の坂上香。
「島根あさひ社会復帰促進センター」は
官民協働による新しいタイプの刑務所。
警備や職業訓練などを民間が担っており、
ドアの施錠や食事の搬送はシステムで自動化されている。
ICタグとCCTVカメラにより受刑者を総合的に監視する。
ここはまた、日本で唯一「TC（Therapeutic Community＝回復共同体）」
という更生プログラムを導入している。
これは受刑者同士の対話や、共同でひとつの物語を構成する
試みなどから、自らの犯罪の原因を探り更生の道を探る。
受刑者たちは、貧困、いじめ、虐待、差別など
幼い頃に自ら経験した不幸な記憶と向き合い、
痛み、悲しみ、恥辱や怒りといった感情を乗り越えて
新たな価値観や生き方を身につけていく。
本作は、窃盗、詐欺、強盗傷人、傷害致死などで
服役中の4人の若者を言動を追い、
彼らがTCを通じて変わってゆく姿が描かれる。
トラウマを抱えて、教育や倫理観の欠如で、
状況への怒りなどから、相手の気持ちや
深く物事を考えられずに"事件"を
起こしてしてしまった若者たち。
知りえない事実の連続に驚愕する。