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2019年10月22日20:16

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うちには、天使がいます。 32.喀血

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猛威をふるった台風19号、
みなさん無事でお過ごしでしょうか。
やまねこのところも、ゆかさんの実家も、
近所まで冠水したんですが、なんとか無事でした。
ただ、避難勧告が出たりばたばたで、更新がだいぶ遅れてしまいましたが、
ゆかさんのお話を続けてまいりましょう。


<前回までのお話>
2018年(執筆している時点で去年)4月初め、
落ちこぼれシンガーやまねこのパートナー・ゆかさんは卵巣に腫瘍が見つかり、
4月24日火曜日には自宅でとつぜん動けなくなり、救急車で病院に搬送されました。
腫瘍の引き起こす脳梗塞、いわゆるトルソー症候群でした。
翌日から入院、2度めの脳梗塞、5月2日に腫瘍の摘出手術。
それから脳のリハビリ、歩行のリハビリの末、5月19日の土曜日に退院、
やまねこの家はマンション3階(エレベーターなし)なので、
ゆかさんはとりあえず実家でリハビリを続けています。
抗がん剤治療の再入院まで2週間、
脳梗塞の後遺症で何度かパニックの発作を起こしたりしながら、
およそ半分が過ぎたところです。

(なお、病院関係者のかたがたほかの名前は、すべて仮名です)


5月30日、水曜日。
先週と同じように、やまねこは仕事が終わってから実家に寄りました。
母もゆかさんと同じように、荷物を持ってすたすた歩くことはできないので、
納豆とかたまごとか、頼まれたものを買っていきます。

そして、ゆかさんと階段を上る練習をします。
ゆかさんは退院してからの約10日間で、少し歩けるようになりました。
先週実現した「いっしょに外にごはんを食べに行く」ということの次に、
もうひとつの目標、それはやまねことゆかさんの家に帰ることです。
そのためには、3階まで階段を上らなくてはなりません。
一歩一歩、目標に向かって上っていきます。
ほんの2時間くらいですが、充実した時間を過ごすことができました。。


脳のほうは、まだまだ新たな壁に出会う毎日です。
TVがよくわからない、音楽がわからない、そして
「本もね、読みたいんだけどぜんぜん頭に入ってこないね、
携帯でネット見るのはまだ入ってくるんだけど、
なんだか、縦書きの文字がだめみたい」
それでもメールの文章は、漢字や句読点も少しずつしっかりしてきたかんじです。
もちろんいいことなのですが、
翌5月31日、木曜日の朝に届いたメールは、こんな内容でした。

「ねこさん、
おはよう、良く眠れた?
ちょっとまたビックリさせちゃうかもだけど、ごめんね
昨日夜中2時半位
血吐いちゃった(><)大量ではないし
それからは朝まで吐いてない
でも痰に血が混じるというよりは血が出た感じだった
喉か、肺か、昨日息苦しかったのと関係あるのかな?
精神的なものとちがうのかな?
ちょっとこわいから朝のお薬のんでいいか、病院電話してきいてみたほうがいいよね」

喀血?でしょうか。
文章からは吐血ではなさそうです。
こんどは―
ふと、神経内科の平良先生が、
「今は何が起きても不思議ではないです」と言っていたのを思いだしました。
がんや、脳梗塞が直接の原因だとも思えませんが、
「精神的なもの」と考えるのには懲りています。
(最初の脳梗塞のときも「精神的なものなのでは?」と言われて、
いったん病院から帰ってしまったので)
納得がいくまで診てもらったほうがいいに決まっています。

「とりあえず病院に電話して、お薬のこと訊いて、
病院来たほうがいいって言われたら、行きましょう。
自分でタクシー呼んで行ける?
もし危なかったらお休み取って迎えに行くよ」

「今病院電話しました。
そしたら、一応朝のお薬のまないで
病院始まったら内科受診してみたほうがいいていわれました。
ねこさんごめんなさいけど、今日一緒いってもらっていいですか?
ちょっと心細いしこわいし」

ここまでのやり取りは朝の7時くらいのことです。
やまねこはすでに職場に向かっていたのですが、
急きょ午前中はお休みをもらうことにして、いったん引き返して、
車に乗って再び出発します。
実家に寄ると、ゆかさんは準備して待っていてくれました。
見たかんじは、きのうと変わりありませんが、
「さっきも小さい血の固まりみたいの出たよ」と言いました。
「やっぱり血液さらさらの薬と関係あるのかな」
「うん…今まで大丈夫だったけど、新しいお薬であんまり証拠ないて言ってたから…」


病院には8時過ぎに着いて、内科の受付を済ませました。
すでにかなり混んでいます。
看護師さんに状況を説明すると「今日、ちょうど呼吸器の先生がいますよ」と言って、
その先生のところに回してくれたようです。
2時間近く待って、診察室に呼ばれました。

カルテがPCの画面に出ていますが、
それでも順を追って今までの経過を全部話します。
呼吸器の先生は、ひと通り聞いたあと、
「採尿と採血、あと痰も採って、CTとレントゲンも撮ってからもう一度来てください」
と言いました。

診察室を出て検査に向かいながら、
「検査てんこ盛りだね」
「うん、でも喉の奥見たり、触ったりはしてくれなかった」
「あとで見てくれるのかな」

採尿、採血はあっさり終わったのですが、
問題は採痰でした。
簡単に言えば、金属のトレイの上に痰を出せばいいのですが、
痰というのは出したくなくても出てしまうこともあれば、
出そうとしても出ないものです。

採痰室という部屋がちゃんとあります。
ゆかさんはそこにこもって、
「がっ」とか「ぐぇっ」という声がえんえん外まで聞こえてくるのですが、
要するに声が止まないということは痰が出ないということで、
あんまり続くと、血が出てなくても喉が切れそうな気がして心配になります。
けっきょく、ゆかさんはかなり憔悴した様子で採痰室から出てきました。
担当の看護師さんが気の毒そうに、
「できればねぇ、サンプルを持ってきていただけてたらよかったんだけど」と言いました。
ほんとにそう思いました。次からそうしよう。
とりあえずここはギヴで、次に行きます。

CTとレントゲンが終わり、お茶を飲みながら待つことしばし、
再び診察室に呼ばれたのは、もう12時半を過ぎていました。


呼吸器の先生は、レントゲン写真を見ながら、
「肺には特に異常ないですね」と言いました。
「6月4日から再入院の予定ですね。
今、血液さらさらのお薬飲んでますよね、それ再入院まで止めて、
あらためて婦人科で相談してみてください」
こんなにたくさん検査したのに、それだけ?
やまねこ食い下がってみます。
「ずっと飲んでたのに、4日間も止めるの不安です」
「それではあした、あらためて婦人科の診察受けてください」
そんなに毎日休んでもいられません。せっかくここまで来たのだから、できれば、
「なんとか今日、診ていただくようにできませんか?」
「もう外来の時間終わりなので、無理だと思いますよ」
「電話で訊いていただくだけでも」
「無理でしょう―」

良く言えばあっさりしている、悪く言えば粘り強さに欠けるやまねこ、
ここまでです。
診察室を出て、ゆかさんとふたりで途方に暮れてしまいました。
時間はもう1時過ぎ。けっきょく午後もお休みをもらうことにして職場に電話して、
あしたもういちど病院に来ることを考えます。
目指すものはすぐそこにあるのに。


「先生、喉見てもくれなかった。レントゲンだけでいいのかな」
ゆかさんすっかり落ち込んでしまいました。
「うん、とりあえず肺は大丈夫ってことらしいけど…
だめもとで婦人科に相談してみようか」
「いいの?」
「あくまでだめもとだから。だめだったらあしたまた来ればいいよ」

電話に出たのは、女性の先生でした。
「まだ大丈夫なので、こちらに来てください」
え?…やた!間に合ったじゃん!
なんでも試してみるものです。
(それにしても、呼吸器の先生の言ってたことはなんだったんだ)

婦人科の受付に行くと、こんどは先ほどの先生のほうから電話が入りました。
「血液さらさらのお薬、もともと神経内科から出た薬なので、
これからそちらのほうにお話をしますね。そのまま待っていてください」
「ゆかさんよかったね、神経内科診てもらえそうだよ」

すぐにその場に神経内科の看護師さんが来てくれました。
もういちど今日の経過を詳しく説明して、看護師さんが戻っていったあと、
またかなりの時間がたちました。
でも、もう待つのもさほど苦になりません。あと一歩。
再び看護師さんが来て、
「今日平良先生いらしてるので、今相談してます。もう少し待ってくださいね」
「ゆかさん、平良先生会えるよ!」
「ありがとうねこさん、電話してみてよかったね!」


外来の診察時間をかなり過ぎていましたが、
診察室に招き入れられると、平良先生が待っていてくれました。
てきぱきとしゃべる平良先生です。今までのいつにも増して、心強く感じられました。
「口を開けて」喉の奥を見て、
「血がにじんでますね」

そしてすでに、
今までの血液検査のデータからDダイマー(血栓の指標になる数値)だけを抜き出して、
それを表にしたものを用意してくれていました。
「ご覧の通り、入院したときは―4月25日には30.5(μg/mL)もあったんですね。
正常値の上限が1.0(μg/mL)ですから、かなり高かったわけですが、
ヘパリンの点滴が始まってからは、26日に15.7、28日に4.3と下がってます。
そのあとも多少の増減はありますが、だいたい2から4、
19日の退院のときには1.0まで下がってます。
今日の血液検査の結果が0.5ですから、もう完全に正常値の範囲内なので、
どうでしょう、お薬の量減らしてみましょうか?」
「減らすことができるんですか?」
「現在、プラザキサ(血液さらさらの薬)1回に75mg錠を2錠飲んでもらってたんですが、
110mg錠1錠に減らしてみましょう。お出ししておきますね。
それでしばらく様子を見ましょう」

薬を中止するよりはずっと安心です。
ようやくほっとひと息つけました。
「よかったね。これで入院まで大丈夫かな。大丈夫だといいね」
「うん。平良先生やっぱ頼りなるね」

食堂で遅いお昼を食べて、新しい薬をもらって帰路につきました。
まだまだ「何が起きても不思議ではない」のです。
乗り越えていかなくてはね。

(続きます)






<うたうやまねこ今後のLIVE予定>

  週末、10月26日のLIVEの詳細出ました。

  10.26(Sat.)
  四谷天窓.comfort → http://otonami.com/com_top
  Open12:30/Start13:00/Charge \2,000+1D

  今回は3組の出演です。
  やまねこの出演は2番め、13:40からいつもよりすこし多め、35分歌います。
  年内のブッキングLIVEは、これを含めてたぶんあと2本になると思いますので、
  ぜひお会いできるとうれしいです☆
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