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2019年12月14日10:24

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体罰とは本来,これほどの罪なのですよ

 僕が子供の頃は必要悪どころか当然視されていた教師による体罰。子供の心身に悪影響を与えるだけで良いことは無いと指摘されて長いのですが,現在でも根絶には至っていません。色々と理由はあるでしょうが「やっても教師は大した罰を受けない」というのも一因でしょう。

 教師が生徒を指導し場合によっては叱責・懲戒するのは当然です。生徒に善悪を教え良い人間に成長させるのは,教師の重要な職務ですから。しかし学校教育法11条に「体罰を加えることはできない」とあるとおり,たとえ叱責・懲戒のためであっても体罰を加えることに許される余地はありません。「生徒が殴り掛かってきたので身の危険を避けるために殴り返した」「他の生徒を暴行しようとしていたので被害者の命を守るために足蹴にした」などという正当防衛や緊急避難が成立する場合は別として,名前は「体『罰』」であっても,それは単なる暴行・傷害に過ぎません。教師による指導ではどうしても生徒を正道に立ち戻すことが出来ない場合には児童相談所や警察などの外部の力を借りるべきで,それでも駄目ならば諦めるしかありません。授業の遂行や他の生徒への悪影響を避けることが出来ないというのであれば別室で指導を検討すべきですし,それでも悪影響を排除できないならば出席停止といった「排除」も場合によっては止むを得ないでしょう。

 このように言えば「教師の務めに対する理解が足りない」と感じる方もいらっしゃるでしょうか。しかしそもそも教師とは何者であるかを検討すべきです。日本には私立の学校もありますが,その大部分を占めるのは公立です。公立学校の教員は都道府県(や政令指定都市)の職員であり(厳密に言うと,政令市以外の市町村立学校の教師も市町村職員。但し採用は都道府県が行い,異動も都道府県内全域で行われます),実は県庁職員や一般警察官と同様の存在です。県庁や警察の職員にも果たすべき重要な使命がありますが,ではたとえば「何としても必要な公共事業の敷地なので,県庁の担当者が地権者を殴りつけて無理やり用地買収に応じさせた」とか「重大事件の取り調べで自白しないので,刑事が被疑者を蹴飛ばして無理やり白状させた」などということが容認されるでしょうか。されるはずがありません。同じ都道府県職員でありながら,教師だけ職務遂行に伴う暴力の行使が許されるというのはどう考えても道理に合わない話です・・・と,そのように考えていたところ,今回この事件の報道を目にすることになりました。職務遂行に際して中学生を殴ったことで和歌山県職員たる警察官が「懲戒処分を受け,同日依願退職」という,昔でいう諭旨免職に相当する形で職を職を逐われることになりました。治安維持や正義回復に不可欠な犯罪捜査の過程での暴力事件ですが「職務遂行上の行為だから」といった斟酌は一切為されなかったわけです。上記のように「都道府県職員が職務遂行に際して他人を殴るようなことが何故許されるのか」という疑問に照らせば,これは妥当な対応というべきでしょう。

 繰り返して,まとめにさせて頂きます。「学校の先生は県庁職員か,それに準ずる立場の職業です。重要な使命を負った名誉ある職ではありますが,職務遂行にあたって他人を殴る特権を与えられてはいませんよ」「教師と同じく県職員である警察官が,職務遂行の過程で中学生を殴って職を逐われました。体罰とは本来,これほどの罪なのですよ」と。



■事情聴取の中学生に平手打ちした疑い 巡査長を書類送検
(朝日新聞デジタル - 12月13日 17:23)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5900989
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