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2020年02月19日03:20

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見ごたえのある『佐久間ダム(総集編)』

京橋映画アーカイブでは「戦後ドキュメンタリー映画再考」を特集している。
制作当時は開放的で斬新な内容だったかもしれないが、「みんな世の中が悪いんや!」タイプのドキュメント映画は《最初から結論ありき》で、今となっては見終わった後に不快感が残る。
しかし今回の特集では文化映画や実験映画の草分け監督の作品や土木映画も多く上映している。特に『黒部川第四水力発電所建設記録 第一部、第二部』(1958,59)は人気のようだ。

土木映画は純粋に建設記録だから人間ドラマは全く無い。そこが良いのだ。『黒部の太陽』(1968)では臭い人間ドラマが鬱陶しくて仕方が無かった。−−そんなもん要らん!ダムを建設するだけで、それは壮大なドラマなのだ。
しかしそう感じるのは一部の人間だけのようだ。黒部ダムはちょっとスケジュールが合わないので佐久間ダムの建設記録を見ることにしたのだが、一緒に行った夢野一子は途中で寝てしまったとか。
映画アーカイブのM氏がわざわざ時間休を取って観るほどの作品だったのだが・・・。つまり、それほどマニアックなジャンルだったわけね?
一子さん、マニアな映画に付き合わせてスミマセンでした。


〇『佐久間ダム・総集編』(1958/高村武次)−−撮影:小村静夫、加藤和三、藤瀬季彦。制作:岩波映画製作所。96分。カラー。
高度成長期の産業PR映画。まったく退屈せずに最後まで楽しんだ。35ミリのカラーで、当時は一般上映もしたらしい。
最初から終いまで計画&建設の様子がただ描かれているだけで、まさに24時間働けますか?の世界だ。泥にまみれた現場の男たちの奮闘が力強い。カメラも現場に長期滞在して撮ったようだ。構図が良い。爆破の様子も掘削も見ごたえがある。
最初は土木学会から借りてきたのかと思ったが、映画アーカイブ所蔵作品だった。巻によって退色の進み方が激しいなあと、M氏はアーカイブ職員らしい感想。

私は途中で、これは土木学会ですでに見ていることに気が付いた。総集編ではなく1部2部3部の完全版を2015年4月23日にDVD上映で観ていた。↓
http://committees.jsce.or.jp/avc/node/671
そして、たいへん面白いと日記に書いている。音楽も総集編は芥川也寸志だったが、完全版は伊福部だった。BGMが違ったのですぐに思い出せなかったのだ。はっきり言って総集編も伊福部にしてほしかった。↓
https://pink.ap.teacup.com/applet/momoiro3kaku/20150423/archive
伊福部なら一子さんも目が覚めたろうに。

ところで完全版は白黒で、総集編はカラー作品だ。どういうことだろうか?今度、土木学会で聞いてみよう。

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