大がかりすぎるｗｗｗ『1978　東京麺類協同組合運動会』

谷根千の根津教会での「ＨＭＤ（ホームムービーの日）上映会」続き。

なんといっても面白かったのは『1978　東京麺類協同組合運動会』だ。
昔は町内会の運動会や企業内の運動会、さんざんやりました。ええ、大の大人が運動会のために町内総出で仕事を休んでリレーや綱引き。まあ半世紀前まではそうでした。
しかし−−−！
この運動会の映像は1978年なんですよ？万博も過ぎてオイルショックも過ぎて、まだバブルの前。
それでこの大げさな運動会は何！？

１）会場が大げさ。千駄ヶ谷の東京体育館。オリンピック競技もやるとこなんですが？借りるのも高いと思うんですが？
２）プラカードを掲げて甲子園のような入場行進。都内各地域の対抗戦。
３）国旗掲揚！君が代斉唱！？　あああ！いったい何を背負ってるんですか！？
４）選手宣誓！正々堂々と・・・　え〜〜〜っと・・・
５）もちろん優勝旗も優勝カップもアリ。
６）「蕎麦」と書かれたそろいの法被。着ぐるみマスコットまでアリの家族総出の応援合戦！

もう本気ですよ、本気の遊び！
競技の内容はオーソドックスな「スプーン競技」や「ムカデ競争」、「パン喰い競争」ならぬ「蕎麦喰い競争」。これは二人一組で目隠しした相手に蕎麦を食べさせるケッサクな競技。ちゃんと地区対抗の点数も付けられている。家族も参加して裸足や靴下で走っている人もいた。
映像は20分もあったが、めちゃくちゃ楽しい運動会だった。
それにしてもわざわざ東京体育館まで借りてやるほど「東京麺類協同組合」って巨大な組織なのか！？

おそらく1978年当時はまだ蕎麦打ちから出前まで全員が正社員だったのだろう。
いまの派遣社員がこんなのに出るわけない。休日出勤の特別手当てが出ない限り絶対に参加などしない。（いや手当が出てもｗｗｗ）
終身雇用制度は「家」が「会社」に置き換えられた古めかしい欠点もある制度だ。しかし派遣社員の増加は日本の社員のコミュニケーション能力を著しく低下させた。
別に会社に忠誠を誓えとは言わない。しかし大きな組織なら、こういう場で顔を合わせて結束を固めるのも必要だろう。それは学校もマンモス団地も果てしなく広がっていく新興住宅地も同じだ。結束が無いと問題が増える。
東京麺類協同組合はまだ健在である。しかしもう運動会はやっていないようだ。

ちなみに運動会は日本独自のイベントらしい。
ただ勝つために競うのではなく、みんなで身体を動かして仲間と楽しく遊ぶ。災害が多い日本だからこそ必要なイベントだと思える。
しかし週休二日制になってからか逆にどんどん廃れてしまった。

いや、面白い映像を見せてもらった。まさに日本の庶民の歴史だよ。
これだから「ＨＭＤ上映会」はやめられない。