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2018年06月20日16:26

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名作コラム【番外】フルバージョンで読んで欲しい重要古典13

少し時間が出来て長篇や大作、それと重厚な作品を読んでる拓也おにーさんです(・ω・)ノシ
こうやって近現代の大作を読んで思うのがやはり古典の大切さ( ゚д゚)ウム
実はプロット、テーマ、形式、技法いずれも古典の時点で完成されて、
現代小説はそのマイナーチェンジ+組み合わせ+著者の個性という
基本的なパターンのものが多いからです。

だもんで、古典を読もう!・・・しかし何を読めばいいかわからない
そして、可能な限り読み易く上質なやつが良い!
という事で、私なりにお勧めの古典小説を13篇挙げてみたいと思います〜
お勧めの一言コメと一緒にどうぞ!
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・『ドン・キホーテ』 ミゲル・デ・セルバンテス 1605~1615
既に枠物語、メタフィクション、開かれた結末をやっているという化け物古典!
小説の元祖と言われるのは伊達じゃない、推理劇から心理戦までなんでも在ります。

・『ガリヴァー旅行記』 ジョナサン・スウィフト 1726〜1735
知の巨人スウィフトの傑作絶望小説、当時の社会&教会批判を昇華させのちのディストピアやSFの基礎まで作り上げた作品。

・『トリストラム・シャンディの生涯と意見』 ローレンス・スターン 1759~1767
主人公の生まれる前の視点から、空白ページ、漆黒ページと考えられるあらゆる技法を詰め込んだ実験小説。漱石『吾輩は猫である』が手本とした一冊です。

・『フランケンシュタイン』 メアリー・シェリー 1818
夫パーシーの愛の抒情詩に対する一種のカウンターとして出来上がったゴシックホラーの金字塔です。SFにもホラーにも影響が大きく語り口も見事。

・『アイヴァンホー』 サー・ウォルター・スコット 1820
フィクションの人物が、歴史上の偉人と、歴史的瞬間に立ち会うという形式の元祖となった小説。これがないとトルストイ『戦争と平和』なども全然違う形になってたでしょう。

・『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』 エドガー・アラン・ポー 1837
短篇小説の父・ポーの大長篇。冒険怪奇幻想ホラーのあらゆる要素を詰め込み、そして結末を開かれた形で終わらせた傑作。ヴェルヌが『氷のスフィンクス』と言う続編を自作したのも有名です。

・『白鯨』 ハーマン・メルヴィル 1851
アメリカ文学を代表する大長篇。パエトン・イカロス神話の完成形でその神話性を伺わせる手法と、読者を引き込む手法はジャンルを問わず手本にされます。

・『ボヴァリー夫人』 ギュスターヴ・フローベール 1856
「物語は一冊の究極の本に辿り着くために生まれていく」というフローベールの代表作。モ・ジュスト(正しい文法)と呼ばれる、設定やテーマにあった語と文法を一つ一つ拾っていく模範的な手法で書かれた作品。

・『悪霊』 ヒョードル・ドストエフスキー 1871
リアリズム長篇の傑作で、「リアリズムとは、どれだけとんでも無い事を現実を舞台に描くか」というのを示した作品。〈掟の門〉〈不条理小説〉〈実存主義〉あたりへと繋がっていく名作です。

・『パンの大神』 アーサー・マッケン 1890
短篇ながら朦朧法や辺縁の人物の証言により、核心部の実態が浮かび上がってくる形式を確立させた名作。ラヴクラフトら20世紀幻想作家の直接の師。

・『ゼンダ城の虜』 アンソニー・ホープ 1894
ゴシックロマンの完成形。ウォルポール『オトラント城奇譚』、ベックフォード『ヴァテック』らの系譜の最後に連なり、ここから20世紀ファンタジーへ華開いていきます。

・『責苦の庭』 オクターヴ・ミルボー 1899
サドやアポリネール、ジョン・ダンなど”メメント・モリ”小説の極北。体験や実践と、思想哲学を結合させていくと、エロスとタナトスが一つの答えとなる、完成度の高い作品です。

・『闇の奥』 ジョセフ・コンラッド 1899
近代になって完成された新しい小説の形式の一つと言えます。辺縁を辿って中心人物へと徐々に辿り着く手法ですが、主人公と中心人物が全く同じ道を辿り、”闇の奥”で選択を迫られるのはこれまた様々な作品へ受け継がれていく形式です。
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以上、抜粋訳や粗筋のみ有名な物も多いですが、
フルバージョンだと省略されていた技法や隠喩の部分が多くわかるので、
お時間がある時に是非フルで読んで欲しい作品群です〜(・ω・)ノシ
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