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2020年04月07日19:19

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オピニオン:コロナ禍で変わる世界秩序、日本「台湾化」の恐れ=川上高司氏

オピニオン:コロナ禍で変わる世界秩序、日本「台湾化」の恐れ=川上高司氏

https://jp.reuters.com/article/opinion-takashi-kawakami-idJPKBN21P06J

[東京 7日] - 国際政治学が専門の川上高司・拓殖大学教授は、新型コロナウイルスという未曾有の危機を強権的に抑え込む中国とロシアが、今後は新たな世界秩序を構築していく可能性があると指摘する。

感染症拡大の影響をまともに受けている欧州と中東には力の空白が生じ、その穴を中ロ両国が埋めていくと見る。

世界で最も感染被害が大きい米国の国力は大きく低下し、日本との同盟関係はこれまでのように機能しない恐れがあるという。その中で日本は「台湾化」が進み、徐々に中国の影響下に入っていく可能性があると予測する。

同氏の見解は以下の通り。

新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)は国家間のパワーバランス(力の均衡)を大きく変えそうだ。独裁国家が相対的に強くなり、民主主義国家の力が相対的に低下するとみている。

中国は感染拡大がそろそろ終息に向かいつつあるようにみえる。ロシアはここにきて感染者が増加しつつあるが、早い段階から外部との交流をシャットアウトしており、他の欧州諸国に比べてだいぶ余裕がありそうだ。

一方で、欧州は明らかにダメージが大きい。しかも第2次世界大戦後の荒廃から立ち直ったとき違い、米国の支援は期待できそうにない。コロナ後の世界が1年後に来るのか、2年後に来るのか予測しづらいが、欧州は力の真空ができるのは間違いない。

力の空白が生まれた場所に別の勢力が入ってくるのは国際政治の常と言える。中国やロシアがコロナ対策のノウハウや医療機器の提供、さらに資金や技術という形で支援をし、影響力を広げていくだろう。

少し目線を南に移して中東を見ると、大国イランが新型コロナで危機的な状況にある。もともと革命防衛隊の司令官が暗殺されるなどして不安定化していたところに感染症が広がり、シリアやイラク、アフガニスタンへの影響力が弱まっている。

中東のもう1つの大国サウジアラビアはムハンマド皇太子主導で独裁色を強めているが、ロシアと原油戦争を繰り広げており、先行きどうなっていくか不透明だ。

中東で生まれる力の空白にはロシアの影響力がさらに浸透していくのではないだろうか。あるいは、イスラム国(IS)のような勢力が復活する可能性もある。いずれにしても中東が混沌とするのは間違いない。

ここで中国とロシアがどのくらい協力し合うかは注目だろう。両国は軍の共同演習を増やすなどしており、準同盟国のような色合いを強めている。この2つの国が接近し、欧州と中東で勢力を拡大するとみている。

<通貨の覇権も交代か>

最大の問題は、米国の力がどこまで低下するかだ。すでに相対的に力を落としている米国は世界で最も新型コロナのダメージを受けている。立ち直れないほど国力が損なわれた場合、世界全体で秩序の総入れ替えが始まる。つまり(★米国覇権がもたらす平和と安定である)パックスアメリカーナの終焉がいよいよ現実のものとなる。

中国の台頭というコロナ以前からあった流れが加速し、パックスアメリカーナの終焉、つまり覇権国家がいよいよ交代する可能性がある。それは自由主義国家体制の弱体化であり、独裁国家体制の台頭を意味する。

中国はこの世界的なコロナ禍の中でも尖閣諸島(中国名:魚釣島)周辺で動きを活発化させており、軍事演習も頻繁に行っている。中国海軍の艦艇が、太平洋上空を飛行する米海軍の哨戒機「P8」に軍事用レーザーを照射する事態も起きている。今の米国がどの程度まで対応できるのかを探るという、コロナ後を見据えた軍事的動きなのだろう。

さらに5Gや人工知能をはじめとした次世代技術、さらにデジタル人民元で経済の覇権交代も進む可能性がある。

米国の同盟国である日本は一段と厳しい立場に置かれる。米国は軍の世界的な見直しを進め、対中シフトを強めるよう戦略を書き換えていると表向きは言っているが、現実には日本に抑止力を提供できる余力が落ちてきている。

中国は今後、新型コロナによる不況で価値が落ちる日本の不動産や企業を買っていく可能性がある。倒産した企業の日本人技術者も中国企業が雇い入れていくだろう。最悪のシナリオではあるが、日本は米国が後ろ盾にいると言いながらも、実際には中国の影響が強く入り込んでいる台湾のようになっていくのではないだろうか。

新型コロナで自由主義体制はかつてない試練のときを迎えている。第2次大戦でナチスドイツに対して結束して戦ったように、米国やオーストラリア、インド、日本といった民主国家が団結をしないと、我々は一人一人の自由が侵された世界に生きることになりかねない。

*本稿は、川上高司氏にインタビューし、同氏の個人的見解に基づき書かれています

(聞き手:久保信博)







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