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2016年10月06日20:17

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メモ・カセットテープ

もはや数少ないカセット機器、それでもニーズはある
新ダブルカセットでテープ聴き比べ アナログは本当にいい?

2014年09月21日 12時00分更新

http://ascii.jp/elem/000/000/935/935628/


デジタル全盛時代に登場したダブルカセットデッキ「TEAC W-890RmkII」。その概要は前回お伝えしましたが(関連記事)、今回は使ってみた印象をお伝えしたいと思います。

 オーディオ用のメディアとしては時代遅れと思われているコンパクトカセットですが、いまだに根強いユーザーの支持があるようです。

 今回新製品として発売されたW-890RmkIIも、前世代機「W-890R」の製造に必要な一部部品が調達できなくなったため、現在入手できる部品で再設計したものなのだそうです。そこまでして製品を維持するだけのニーズがあるということでしょう。

 それでもカセットは絶滅危惧種であることに変わりはありません。それは家電量販店の売り場へ行けば分かります。

なにしろカセットデッキのメディアたる、コンパクトカセットの選択肢が、ほとんどありません。

 かつては、様々なメーカーがコンパクトカセットを製造していました。1966年に国産初のカセットテープを発売したTDKをはじめとして、ソニー、日立マクセル、富士フイルム(AXIA)、日本コロムビア(DENON)、太陽誘電(That's)、住友スリーエム(Scotch)、BASF/AGFA、メモレックス、コニカ(Magnax)などなど。

 磁性体の違いによって、TYPE I(ノーマルポジション)から始まり、TYPE II(ハイポジション)、TYPE III(フェリクローム)、TYPE IV(メタル)と4つのポジションが存在し、各社各々の技術を投入して、音質やコストパフォーマンスを競っていました。

 しかし、TDKは、2007年に記録メディア事業を米国のイメーションへ売却し、2011年12月にはついにカセットテープの生産を終了しています。

 そして今、ヨドバシ・ドット・コムで買えるのは、日立マクセル、ソニー、磁気研究所の3ブランドのみ。いずれもTYPE I、ノーマルポジションの安価な製品だけです。

 カセットの音質を決定する要素として、録音・再生装置の性能と同時に、メディアであるテープの性能が重要なのは言うまでもないことです。


これらのテープを実際に購入して、W-890RmkIIで試してみました。

 試聴用ソースは、27.5Hzから7040Hzまでの9オクターブの正弦波と、iPad用のGarageBandとTASCAM iXZで録音した曲で、オーディオ解像度44.1kHz/16bitのPCMです。

 このファイルをPCで再生し、Steinberg UR44でDA変換したアナログオーディオ信号を、W-890RmkIIのTape1で、-3dB(440Hz)を超えないようレベルを設定して録音しています。なお、リード直後は音質が荒れるので、テープを巻き戻して約20秒後から録音を開始しています。





結論から言って、日立マクセルとソニーの音質の違いはほとんどわかりませんでした。HIDISCの2製品も同じで、音質の差はほとんど感じませんでした。ただ、日立マクセルとソニーに比べると、低音側の歪が大きく、高域の減衰やドロップ(音飛び)も多いようです。これは、価格が安いことを考えれば仕方がないでしょう。


アナログゆえ音の劣化は避けられない

 どちらのテープにしても、音が随分と変わることに驚かれたと思います。特に産まれてからデジタルメディアに囲まれて育った平成世代のみなさんはそうでしょう。

 たとえば一定のレベルで聞こえる「シャー」という雑音、これが「ヒスノイズ」で、磁気テープにアナログ信号を記録し、それを再生する際に必ず起きます。

 もうひとつ、音が濁ったように聞こえるのは、歪と「ワウフラッター」の影響です。テープやレコードのような回転系のアナログメディアでは、偏心や摩擦、ガタなどによって回転ムラが起きます。それによって変化した周波数と、本来の周波数との比がワウフラッターです※1。

 カセットデッキの全盛期の80年代には、このワウフラッターが0.02%台の製品や、それを下回る製品も存在しました。W-890MKIIのワウフラッターは0.25%(W.RMS)で、決して良くはありません。ですが、70年代、80年代のラジカセやウォークマンのような携帯プレイヤーなど、特にスペックを謳わないカジュアルな再生装置は、この程度の性能だったはずです。

 最近の同世代の大人は「アナログの音を知らない今の若者は可哀想」とか「mp3で音楽を聴いていると耳が悪くなる」などと言いますが、再現性という点では現在の再生装置の方が優れているはずです。それは前述したヒスノイズ、ワウフラッターがないことに加えて、もう一つ。

 同じ機器で録音・再生していると気にならないのですが、メーカーや機種、あるいは個体差でテープの走行速度が微妙に違うため、コンパクトカセットはピッチを正確に再現できません。こちらの方が、よほど音楽的に耳が悪くなると思うのですが、いかがでしょうか。

それでもカセットには長生きしてほしい

 では、決して音がいいわけでもないのに、いまだコンパクトカセットは使われている理由は何でしょうか。コンパクトカセットの置き換えを狙い、1992年に販売が開始されたMini Disc、通称「MD」は、2013年にすべての録音・再生装置が生産終了しています。MDは日本以外ではほとんど普及しませんでした。

 コンパクトカセットは、テープの掛け替えが面倒だったオープンリールテープを扱いやすくするため、オランダのフィリップスが1962年に開発したものです。

 それから50年以上経過した現在も、全世界で使われている理由は、フィリップスが基本特許を無償公開したこと、そして、ある程度ラフな作りのメディアや再生装置でも、実用に足りるところでしょう。

 たとえば、演歌の聖地と言われる、東京は中野ブロードウェイ2Fの中野名曲堂を覗いてみると、新曲がCDとカセットで売られています。カラオケで演歌を嗜む方々には、カセットの方が使いやすいのだとか。

 逆にとんがった方面では、コンパクトカセット専門のレーベルも存在します。こうした方々には、昨今のハイレゾ音源よりも優先すべきことがあるわけです。※2

 ただ、かつてはカセットでしかリリースできない事情もありました。CD-RやMP3など存在しない80年代初頭には、少量生産が可能でリスクが低いカセットは、インディーズにとっては良いメディアでした。私自身も高校時代にカセットテープで音源を販売した経験があり、カセットデッキには随分とお世話になりました。

 オーディオコンポとしてのカセットデッキは、すでにTEACが製造するのみですが、ラジカセのような製品は、まだいくつもあります。いずれメディアとして完全に消える日も来るのでしょうが、できるだけ長生きしてほしいと思っています。





















音楽カセット「UD」復刻版発売 カセット50周年記念 日立マクセル
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=4228289
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