mixiユーザー(id:1940449)

2019年12月10日01:36

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12000年前に何が起きたのか? 2.パンドラの匣

外側前頭前野とその他の脳の部位の連絡神経の発達は
全世界でほぼ一斉に平衡進化したものだと言われている
この理由については まだしばらくの間は議論のあるところだろうが

外側前頭前野のもたらす試行錯誤や計画立案の能力が
人類にとって一定の淘汰圧として働いたか
もしくは
すでに発達していた能力を使うにあたって
補助的に機能していたところが
より活発に使用されて急激に変化してしまったか
の どちらかだ
いきなり外側前頭前野が脳内に出現したわけではないので
どちらかといえば後者の可能性が高い

ではなぜ 人類は12000年ほど前に
その部位をより高度に使う必要性があったのか

基本的に人間の脳の発達は
ある時期以降
人間同士の関係性の複雑化に対応している
少人数のバンドが 徐々に人数を増やし
気候の温暖化とともに共同体の人数が増えた
もしくは
離れたところの共同体とも情報を交換し
その関係性を保つようになった
ここらあたりは 卵が先か鶏が先かというようなもので
言語の進化も同じような発達を遂げたものだろうと思われている

言語の発達においても言われることであるが
その発達を促したのは
ゴシップの共有だっただろうという説がある
噂話や失敗談
愉快な話や悲しい話
そのような話題で話し込む時間が
当時の人類にとって最大の共同体維持のための方法だったという説だ

この時点において
人間は対話を通じて相談し
共同体の意思をまとめるといったことができるようになった
まず話し合う
そして 意見に相違があれば
裁定者を求める
そして計画をたて
その計画に従うということが可能になった

その結果
人間は共同体の中で中立的な立場からの裁定者を求め
実行に移すに至って共同体のリーダーを求めた

多分その頃だろう
人間が時間を意識するようになったのは
計画を立案し実行する意思がなければ
あるいはその方法論を話し合うためには時間の概念が有効に働く

要はこの時期に現在の人間社会の凡その骨格が決まったものだと言える
キリスト教神学では
これがアダムとイブが食べたリンゴで
すべての幸福と不幸の始まりでもある

たかだか 前からあった脳の一部の神経索にたんぱく質の幕が追加されただけで
人間は本格的に野生であることをやめざるをえなかったわけだ

余すところなく すべての人類が
この時期にそう変化した

思えばつい最近のことだ


続く
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