mixiユーザー(id:1940449)

2019年11月18日01:08

94 view

皇室について  2.皇室神道

神道とは定義しにくい宗教現象で
いわゆる既存の宗教学では説明しにくい
文化人類学や民俗学の分野の領域で説明するしか方法がない

中でも皇室神道と呼ばれる
皇室が行う儀礼を中心とした神道は
かなり特殊な形を伝承しているものだ

どのあたりが特殊かといえば
その形態が非常に古い
元々 神道の原型は宗教の原初形態と言ってもいいような「祈り」だ

祈りとは
人間が言語を得て その言語ゆえに時間の感覚を持つようになったことがそのきっかけになっている
言語を得て そこに過去や未来の時制が生まれ
経験と未来予測が可能となり
そこに不安とともに そうあれかしとの願いが生まれる
その願いを形式化したものが祈りだ
何らかの祈りは 気候の安定した時期には往々にして叶えられる
人はその繰り返しの中で祈りの「有効性」を確信する
祈れば自然環境はそれに応えてくれる
行動心理学で言うところの【オペラント条件付け】のようなものだ
うまく通じなかった場合も 祈りが足らなかったとされるから
祈り自体は否定されずに 往々にして強化される方向を持つ

いわば 【自分の体の外にある環境との関係性を維持すること】が祈りであり
その表現は一定の所作や言語によるものだ
宗教的行為は古代から全人類に共通した行為であるから
これは生来的な人間の持つ一つの行動様式であるとみていいだろう
種としての習性のようなものだ

そして 環境そものもとでも言えるような存在が
自然宗教の「神」である
その神は言語や所作を理解する存在であることから
まずその存在との関係を持つために
一定の場所やモノ あるいは特定の人間に神を降すことが可能となる
こうやって言葉にするとややこしい話だが
おそらくほとんどの人類に共通した思考方法で
日本語話者である人間には
その言語の方々にそれらの概念が凝縮されて残っているので
おそらくは理解しやすい順接な思考だろう

磐座に神を降ろしたり
シャーマンに憑依させたりというのが古代の信仰で
それが現代の神道の原型である
この辺りは全世界で共通する原型で
多少の形態の違いはあっても構造は同一だ
ただ 言語が文字として残るようになってから
様々に分化はしていくことになる
そして その先に現代の宗教のすべてがある

神道はそんな古代の自然宗教と
朝鮮半島から伝播した
共同体としての一族の祖霊を守護者として祀るという新しい形と習合し
神社神道の原型を作る
自然という環境以外に 人間を祀るという形だ
ただそれは人格神という形ではなく
その祖霊の力をして環境との対話をするというような
少し複雑で間接的なものとなる
言ってみれば 祖霊に「口添えをしていただく」といえばわかりやすいか
あくまでも目的は周辺環境との対話だからだ

古代においては海の幸 山の幸 健康な日々
そんなものが要求事項で
農業を行うようになってからは豊作・豊漁となっただろう
その対話のために祖霊が存在するという順序だ

まあ 言ってみれば
死者がシャーマンとして機能しているということで
そう信じることのメリットは
おそらくは祈りの場の安定であり
儀式の形式化にある
いちいち神がかりしていてはその宣託が不安定なものとなりかねない

そこで皇室神道の話だが
現在の様式の多くは一時途切れたり放棄されていたものが復活したりというものも多い
皇室神道の復古的な動きは国家神道の成り立ちと深く繋がっているものの
基本概念としては 平安以前からの様式を組んでいるものとしていいと思われる

皇室神道では
いわゆる祖霊が神話の神であり
その神を天皇の体を依代としてそこに降すということになっている
ただ その神話の神々は人間と同じように祈りを捧げる存在であり
神そのものではない
環境と対話する人々である
存在として大きいもの 偉大だとされるもの
そういった影響力の大きい者が祖霊となっているということで
言ってみれば 周辺環境と大きなコネクションがある有力な対話者であると言うことだ
ゆえに 天皇は その捧げる祈りが聞き届けられやすい存在であるということになる
だからこそ 天皇は
広大な範囲の国家全体を押し包む祈りの範囲を持ち
その儀礼は重要なものであるから
同じ環境下で生きる人間の尊崇を受けるということになる

要は 天皇が天皇であるための条件とは
過去の祖霊の力を受け継ぐ存在であることと
それにふさわしい儀礼を行うということにある

そしてその祈りは 国家全体の環境に対する諸所の状態に向けられており
皇室神道とはいえ
ただ単に祖先を供養するというような趣とは全く異なっている
どちらかといえば
有史以前の非常に古い祈りがそのまま残っているという形になって
それが国家の範囲の拡大とともに広がっていったというものだ

まー 平たく言えば
おれが地方の小さな神社の神主であったとして
一心不乱にこの日本全土の豊作を祈ったとしてだ
それにあんまりご利益があるような気がしないw
しかし 天皇なら
少なくともおれよりなんかこー効くような気がするw
まーそんな話だw

しかし その「なんかこー効く気がする」は非常に重要なところで
令和天皇の即位に虹が出た! なんて話を
おー なんて聞いているけど
それに対して そんな非科学的な話はよせ
なんつー無粋な人はあまりいないw
それが何を意味するのかは 重要な話だ


続く
4 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年11月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近の日記

もっと見る