I Wanna Marry You

ブルース・スプリングスティーンのアルバム　「リバー」での一曲

毎朝　通りを歩いて仕事に向かう女性がいる
ベビーカーを押しながら
小さなリボンで髪をまとめた彼女は
僕がそばにいることを望んでくれるだろうか

とすれ違う「僕」は思う

彼女はワーキングシングルだ
その表情は厳しく
必死で子供を育てながらの生き様が伝わる
彼女をずっと見ている「僕」は
できれば彼女と結婚したいと思っている
別におとぎ話を望んでいるわけじゃない
「僕」には彼女の夢を叶えてやるなんて言えない
でも　それを手伝うくらいならできる
親父が言ってたよ
本当の愛なんてどこにも会い
でもさ
そんなに頑なになることもない
人生は楽しいことだってあるはずだ
一つの家に住んで家族になろう
君が僕の苗字を名乗ってくれたなら
「僕」はそれを誇りに思うよ

この　おそらくは保守色の強いアメリカ中南部に住む青年の願いは
懸命に生きているシングルマザーの彼女と
彼の考える「ごく普通」の家族になることだ
同じ苗字を名乗り　同じ家に住み
幸せな　どこにでもある普通の家族になることだ
懸命に社会に負けじと生きている彼女が
「僕」の苗字を名乗ってれるなら
「僕」はそれを誇りに思うだろうと
だから恥ずかしがらずに彼女に結婚しようと告げようと決心する

しかし「僕」はおそらく彼女と話したこともない
結婚はおろか付き合ってさえいない
多分　そのまま街の雑踏の一人として
顔女を見つめ続けるだけだ
自分自身の職も不安定で　とてもじゃないが彼女を幸せにできるとは思っていない
そんな状況下で
彼の望みは　小さな「普通」だ

おれは夫婦別姓には賛成だし
そんなことは好きにすればいいと思っている
でも　普通も大事なことだ




■「社会が動き始めている」＝夫婦別姓へ膨らむ期待−青野氏訴訟２５日判決・東京地裁
(時事通信社 - 03月22日 07:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5548343