21 私はこの示現を受けてから数日後、前に述べた宗教上の騒ぎの中で盛んに活動をしていたメソジスト派の説教者の一人とたまたま一緒になった。そして、宗教の事について彼と語る内に、私は、その機会を捉えて、自分の受けた示現の話をした。ところが、私は彼の振る舞いに酷く驚いた。彼は私の話を軽くあしらっただけでなく、酷く軽蔑した調子で、それは全て悪魔から出たものであって、この時代に示現や啓示のようなものはなく、そのようなものは全て使徒達で終わっており、今後決してそのようなものはない、と言った。
22 しかし、それから間もなく、私がその話をした事が、信仰を告白する人々の間に私に対する大きな偏見を引き起こし、酷い迫害の原因となった事を、私は知った。そして、迫害は増し続けた。私はたかが十四、五歳の名もない少年であり、生活の状況からいっても世の人々の中で取るに足りない少年であったにもか拘らず、地位のある人々は私に目を留めて、一般の人々の心を私に敵対するように煽り、激しい迫害を引き起こそうとしたのである。これは全ての教派に共通した事で、全てが連合して私を迫害したのであった。
23 当時、真剣に考えさせられ、またそれ以来しばしば考えさせられてきた事であるが、十四歳を少し超えたばかりの名もない少年、それも日々の労働によって僅かな生活費を得なければならない定めに置かれた少年が、当時最も評判の良い教派に属する偉い方々の注意を引き、最も激しい迫害と悪口雑言を浴びせようとする思いを彼らの心中に起こす程の重要人物と思われようとは、何とも不思議な事である。しかし、不思議であろうとなかろうと、それは事実であり、しばしば私自身にとって酷い悲しみの種となった。
24 しかしながら、それでも私が示現を見た事は事実であった。私はそれ以来、自分はパウロによく似た心境であると思ってきた。彼はアグリッパ王の前で弁明し、自分が示現を受けて光を見、声を聞いた事を話した。それでも尚、彼を信じた者は殆どなかった。ある者達は彼は不正直だと言い、他の者達は彼は気が狂っていると言った。そして、彼は嘲られ、罵られた。しかし、全てこの事も、彼が示現を受けたという事実を損なう事はなかった。彼は示現を見た。彼はその事を知っており、天の下のあらゆる迫害も、その事実を変える事はできなかった。例え迫害されて死に至ろうとも、それでも彼は、自分が光を見、自分に語り掛ける声を聞いた事を知っていたのであり、最後の一息まで知っていた事だろう。全世界も、彼にそうでないと考えさせ、信じさせる事はできなかった。
25 私についても同じであった。私は実際に光を見た。その光の中に二人の御方を見た。そして、その方々が実際に私に語り掛けられたのである。例え示現を見たと言った事で憎まれ、迫害されたとしても、それは真実であった。そして、そのように言った事で、人々が私を迫害し、私を罵り、私に対して不当にあらゆる悪口を浴びせている時、私はこのように心の中で言うようになった。「真実を告げた事で、なぜ私を迫害するのか。私は実際に示現を見た。どうして私は神に逆らえようか。なぜ世の人々は私が実際に見たものを否定させようとするのか。」私は示現を見た。私はそれを知っていた。神がそれを御存じであるのを、私は知っていた。私はそれを否定できず、またそうする勇気もなかった。少なくとも私は、そのようにすれば自分が神に対して罪を犯し、罪の宣告を受けるという事を知っていた。
26 教派社会に関する限り、私は今や心に満足を得ていた。即ち、それらのどれにも加わる義務はなく、次の指示があるまでそのままでいればよかったのである。私はヤコブの証が真実である事を知った。即ち、知恵に不足している者は神に願い求める事ができ、そうすれば咎めを受ける事なく知恵を得られる、と。
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