性同一性障害を扱った映画でした。
性不同について、私はあまり重く考えて無かったんだけど、重たい内容でした。
そもそも、自分の身体を心が受け入れられないってのが…
なんで「女」になりたいの？生理はあるし、出産も育児も大変だぞ。
男の身体って排泄が便利、女より赤血球が多いから回復力がある、筋肉付きやすい。
生き抜くのに身体的に力が必要なのは、男女関係無いってのが持論です。
大体、女のイイトコ取りして、母性とかどうなのよ？とか思ってたのね。
女ったって、美人に生まれるとは限らないし、美人じゃなければ差別は受けるし、美人じゃない女に求められる労働力ときたら、まず万人の女中さ。
女に生まれて女中やりたい？馬鹿じゃないの？
女中になりたくなくて、皆必死に勉強して少しでも社会の上部に行こうって、頑張ってるのに。
ところが、女の身体になりたいって、もっと別な欲求だったようです。
身体の違和感というのが、私には分からない。
私は２0代後半の頃、統合失調症の母の治療を諦めて実家に戻り、人生も何もかも諦めてただ出来る仕事をしてた時期があった。「この先何も良い事はない」って予測をしてた。
ある夕方、勤め先のローカル線の駅で幽霊みたいな、長い髪に長いスカートで紙袋下げた
これ以上細い子いないだろ？って、男の子と行き会った。
性同一性障害の摂食障害だな、ってあまり知識の無い私でも、そう見えた。
その子と二人しか駅のホームにいなかったけど、ジッと見詰めちゃ悪いから、離れてたんだけど、その子の方が私を睨むように見てた。
私は長髪ワンレンが流行ったその時代に、髪を伸ばすのを実母に禁じられていて、刈り上げるほどのショートカット、服は仕事用に地味だし太めの体型だし、どこもイイとこが無い「怠けてる女」に見えたでしょう。
私はその視線に反発して思った。
「男っぽくなりたくないからって、摂食障害？親泣かせて何やってんのよ！
こっちゃ、親に苦労させられてんの！
アンタみたいに、好き勝手に生きてないわよ！！
アンタは生理も無い、楽な人生よね」って。
お金無さそうで、よく手入れされてないけど、腰まで伸ばしたロングヘアも羨ましかった。私は母から「女の子」であることを、望まれてはいなかったし、美人でも無いから両親とも失望したようで、経済的には困ってないのに、そんなに金も愛情も掛けられず離婚家庭で育っており、成人した時期はバブルでひたすら惨めだった。
アイデンティティで似たような境遇でも、アッチはもっと重かったのかもね。
リスカも多いそうだし、あの子もそんな感じだった。
でも、やっぱ馬鹿かな？と思う、生理も妊娠出産も一方的に背負いこまされる育児や介護なんか、誰もやりたくないはず。
男なら、男の身体してりゃ、やらなくて済むじゃん？
で、映画は深刻だし美しいし、草��剛様、最高でしたが…
母性表現は、泣くしかありませんでしたが…
本音のところで、そんな心境です。
自分が持てる物で精一杯生きられないって、心境がどうしても解りません。
自分は偏見の無い人間だと思ってたけど、やはりまだまだ傲慢なんだって、気づかせてくれた作品でした。
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