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2020年07月27日12:37

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★歩くと、歴史にぶち当たる。【メルマガくん:07/27号】

 在宅勤務です。仮想通勤と称して、現実の通勤に要するのと同じ時間を、近所を歩くのに充てています。20年くらい前まで住んでいたあたりに行ってみます。
 目白通りを西側に向かって進んでいきます。玉締めのごま油で有名な「小野田製油所」のところで左に折れて、住宅街に入ります。住宅街に入ってすぐの、左手にある和菓子店「千成」には、以前、よくお邪魔していました。さらに進んでいくと、かつては右側に「味菜(あじさい)」という韓国食材店がありました。この店で初めて「コーン茶」「エゴマの葉」「チャンジャ」が美味であることを教わりました。お店がなくなってからも、前を通るたびに、あの味を思い出します。
 ここらあたりは、6年間にわたって、子供たちを幼稚園に毎朝、通わせるため一緒に歩いた場所です。毎朝、同じ道を行くことはありません。毎朝が探検です。遅刻しそうで、急いでいない限りは。だから、ここらあたりの道は、ほとんど子供たちと一緒に歩き尽くしたのです。
 「ここらあたり」が、目白文化村であることを知ったのは、子供たちが幼稚園を卒園して、小学校に入ってからです。つまり、実際に毎朝、歩いていたころは、目白文化村という名前すら知らなかったのです。『目白文化村』(日本経済評論社)★1は、かなり前から積ん読だったのですが、あるとき読んでみて、「ここらあたり」のことを知ったのです。さらに、『幾何への誘い』(岩波現代文庫)がきっかけで小平邦彦の本を読むようになったのですが、この小平が「ここらあたり」の住人であるばかりでなく、私は子供たちと一緒に、小平邸の前を頻繁に歩いていたのを知りました。★2
 目の前の、なんの変哲もない風景にも、歴史があります。その歴史に気づくこともなく、ぼーっと歩いていた私の歴史もあります。歴史に気づいてからの自分の歴史もあります。
 たまたま「ここらあたり」は有名な場所でした。有名ではない場所にも、歴史はあるのです。少なくとも、その場所と私との歴史はあるのです。仮想通勤の楽しみは尽きません。

 ★1『目白文化村』(日本経済評論社)
 http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/461 
 ★2 目白文化村
 http://www006.upp.so-net.ne.jp/jsc/bunkamura/top.htm
 (落合道人「気になる目白文化村」オルタネイト・テイク)
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