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2020年07月20日12:02

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★「いおり」が書けない。【メルマガくん:07/20号】

 書けない漢字があることは幸せです。
 難しい漢字ではありません。前は書けたであろう漢字を忘れてしまっています。その都度、漢和辞典を引いて、どんな字だったのか確認します。書けない漢字は、改めて覚え直すことができます。何かを覚えるのは、たとえ何度目でも、喜びです。だから、書けないのは幸せなのです。
 「いおり」という漢字が書けません。「广」(まだれ)の下が、あやふやです。なんだったっけ? 大体の形は思い浮かぶのですが、はっきりしません。例によって、『角川 新字源』https://promo.kadokawa.co.jp/shinjigen/ のお世話になります。
 「广」の下は、「奄」でした。家を表す「广」と、「おおう」を表す「奄」で、草ぶきの「庵」(いおり)の出来上がりです。なるほど。
 「庵」は、常用漢字2136字に入っていません。だから、書けなくても読めなくても、それほど不自由はありません。一般に使う場合、たいてい振り仮名付きです。でも個人的には、書けなかったのがちょっと悔しい。というのも、中学生のころには「庵」を書けたかもしれないからです。
 中学3年生のときの「国語」の教科書に、松尾芭蕉『おくのほそ道』が載っていて、その「序文」を暗唱したのです。もちろん自発的に暗唱したのではなくて、国語の亘(わたる)先生からの宿題です。教室の全員が順番に、席から立って暗唱を披露したのです。
 それはさておき。「月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり」から始まる「序文」は、「表八句を庵の柱に掛け置く」で終わるのです。「いおりのはしら」です。この「いおり」です。平仮名で「いおり」と書くのではなく、漢字で「庵」と書けたはずです。ううむ。本当に、書けたのかな? 読めただけだったのかも。記憶が怪しい。
 そんなことより、いま書けるかどうか、です。いまは、書けます。たったいま、漢和辞典で調べたところです。当たり前です。1週間後には、もう書けないかも。そのときには、漢和辞典にまた、お世話になります。
 何度も覚え直すことができて、本当に幸せです。ええ、本当ですとも。
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