『読まずに死ねるか!』は、内藤 陳さんの本のタイトルです。陳さんは、冒険小説の紹介をしていましたが、面白くない本は取り上げない人です。批評するのではなくて、「この本、本当に面白いから読んでみない?」と薦めるのです。
「君はね、勉強のつもりで本を読んでるでしょ」と、陳さんから言われそうで、亡くなった今でも常に怖い存在です、私にとっては。
デカルトの『情念論』を、外出するときには必ず手にして、電車の中で信号待ちの間に可能なら歩きながら、1行どころか1語でも読むようにしています。勉強のつもりだと、こうはいきません。楽しいのです。
「ほんとかなあ?」と、新宿ゴールデン街「深夜+1」のカウンターの内側から、陳さんがニヤニヤしながら問い詰めてきても、「本当です」と笑って言えたらいいな。
『情念論』の次は、それこそ読まずに死ねない『省察』と一緒に歩くつもりですよ、陳さん。
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たまたま、「読まずに死ねない」「デカルト」で検索したら、『読まずに死ねない哲学名著50冊』(平原卓/フォレスト出版)に行き当たりました。著者の平原卓さんは、【Philosophy Guides - 哲学ガイドブログ】www.philosophyguides.org を運営していらっしゃいます。デカルトの『情念論』『省察』の分かりやすい解説が載っています。
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