「『カエルがいる』
岡山県にある大原美術館で、4歳の男の子がモネの《睡蓮》を指差して、こんな言葉を発したことがあったそうです。
その場にいた学芸員は、この絵のなかにカエルがいないことは当然知っていたはずですが、『えっ、どこにいるの?』と聞き返しました。
すると、その男の子はこう答えたそうです。
『いま水にもぐっている』
私はこれこそが本来の意味での『アート鑑賞』なのだと考えています。
その男の子は、作品名だとか解説文といった既存の情報に『正解』を見つけ出そうとはしませんでした。むしろ、『自分だけのものの見方』でその作品をとらえて、『彼なりの答え』を手に入れています。」
〜末永 幸歩 「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考」より
世に言われている,一般的な解説を「正しい答え」とせず
その「正解」から自由になって
自分なりの視点と価値観で,自分なりの「見方」を身につけること。
自分なりの「正解」を見いだすこと。
絵画に限らず,文芸でも,音楽でも
作品と純粋に向き合うことは,「自分なりの見方」を身につける感性と
「自分なりの正解」を見いだそうとする思考を育む。
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