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2019年07月19日02:24

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愛情時々コメディな物語 … 碧月あいさん@新宿御苑(舞台「おわりのはじまりに」&「はじまりのおわりに」 7月13日夕・夜公演)

なかなか梅雨があけません…というより、なかなか日が差しません…ということしの梅雨であります雨
関東あたりでは、極端な大雨はいまのところないはずですが、とにかく洗濯物を外に干せない、雨が降り込むので、涼しいくせにエアコンの除湿のお世話になる…という感じ。いかにも梅雨らしい天気ですけれど、もう少しメリハリがあってもねと思ったりもしますがく〜(落胆した顔)


ということで、当日記では昨年晩秋以来の碧月(みづき)あいさんの登場であります。前回の登場時以降、この春にかけていろいろと環境が激変されたようですが、本稿の時点では、そういった激変の部分がひとまず落ち着いて、舞台へのご出演も復活されてきた感じです揺れるハート。大学生でもありますし、ツイッターのプロフィールには「書き手」の文言も見えますので、とりあえずは“ことしいっぱい”と但し書きがついていますが、役者さんとしての復活2作目のこちらの舞台へ出動です電車

フォト


「はじまりのおわりに」と「おわりのはじまりに」と、対になった2つのお題の舞台。どちらもシチュエーションは極道系パンチ。男性キャストバージョンの「はじまりのおわりに」は、とある暴力団の組事務所爆弾。一方、女性キャストバージョンの「おわりのはじまりに」は、そのとある暴力団の資金源となる風俗店ブティックで繰り広げられる物語です。筆者は、3連休初日、13日土曜日の夕公演(「おわりのはじまりに」5公演目)→夜公演(「はじまりのおわりに」6公演目)と、続けて観覧してきました。

#あいさんは、「おわりのはじまりに」のみのご出演です。
 ただし、2つのお題でひとつの物語でもありますので、
 両方にご出演のキャストもいらっしゃいます。


暴力団とそこにつながる日本風の風俗。それがもちろん“違法”であり、しばしば取締りの対象となることはとりあえずおいておくと、現実でもドラマや映画などの状況設定でも、いかにもと思われるくらいひっついていることが多い両者。そこで繰り広げられる物語も、両者が同時進行という形で演じられていきます。お題の通り、中身も対になっているこの2つの演目、やっぱり両方観て正解というか感覚がしたのでありますぴかぴか(新しい)


そんなわけで、まずはあいさんご出演の女性陣バージョン「おわりのはじまりに」からスタート。女性陣らしい華やかさがあったのでしょう、この回は場内満員御礼でスタートしていきます満室・満席・満車


とある暴力団「八重洲組」組長の誕生日&引退式の儀式当日。この儀式を経て、若頭、新宿(にいやど)が次の組長に就任する…という段取りです。色々あるのか、普段の見た目は一般市民。土方として働いているようですレンチ。もともとはご夫婦だったはずが、とある事件で奥様は殺されてしまっており、娘の楓と、お遊びどころの取り仕切り役の藤と、まずは3人が登場してきます。

一方、同じ組でありながら、対立関係にあった構成員、四谷。長年の刑務所暮らしを終えて出所してきたのも、この儀式当日。その日のうちに新宿と再会し、ぎこちない会話を交わしていきます。そこには不穏な空気を込めて…。


そんな特別な日も、まずはいつもと変わらない…、いや、特別な緊張感を交えつつ、風俗店「桜花」の開店準備が、そして儀式のバックヤードとしての一日がスタートします。そこに、母親がいなくなったいきさつを知ろうと、楓が「桜花」の門をたたきます。年齢を偽ってまで…。その事情がすぐにピンときた藤は、あえて裏方として楓を採用します電球

やがて、この日のお店の準備が、儀式の準備が進むにつれて、不穏さを少しずつ多くにじみ出てきます。準備が整うと、覚悟を決めたように、藤は、新宿とともに儀式へと出発…。虫の知らせがあったのか、ナンバー2の梅華に”お守り”を託して…。


悪い予感は、残念なことに的中してしまいます。四谷の命令を受け、「桜花」に客として入店した坂上が突如銃を乱射…。狙いは新宿の娘である楓。騒然となる店内。お店の大部分のスタッフが犠牲となってしまう中、なんとかして楓を凶行から守り通します…。とんでもない光景を経ながらも、楓にとっては”はじまり”の地点にたどり着いた…そんな筋道をたどってきたような感がありました。



そんなわけで、物語自体は、要所要所に大変シリアスなシーンが入ります。そこではドスの効いたセリフであったり、周りのことを思って自らをさらけ出す姿であったり、虚勢を張っていたはずが一転して大切な人のことを想う姿に変わる光景であったり…と、そこには迫真の演技があります。「桜花」の表舞台に立つひとびとは、あでやかな着物姿。舞台上には華やかさも同居していましたぴかぴか(新しい)


一方で、「ドがつくくらいのコメディ」でもあるそうでして…。ん?と思っていると…

大事な儀式だから、とにかく粗相をしてはいけないexclamation ×2という命題のもと、てんやわんやの光景が、これでもかというくらいに展開されていきます。
当日記筆者のお目当てであるあいさんは、「桜花」の中の調理場(でいいのかな?)、椿班3人衆のひとりとして登場されています。楓が配属されたのもこの班ですので、途中からは4人衆…ですね。裏方の光景だからか、衣装は普通に洋服。和装のシーンとは対照的な速いテンポで、慌ただしさを表現しているようです。儀式用のお料理を作る…ということなのですが、慌ただしい割にはなかなか決まらない(笑)。紅白でおめでたいもの…えーと、カレー→野菜を切って入れるだけの“手抜き料理”じゃんexclamation & question→じゃぁ、シチュー→「シチューはのみものexclamation ×2」→…まだるっこしいのですが、慌ただしいのでめちゃくちゃ早口。この大いなる矛盾?で場内を笑わせてくれます。

また、別の裏方の光景で、二股をかけられて、こどもを身ごもった蘭が困り果てるシーンでは、二股をかけた張本人の一挙手一投足に、長〜い心の叫びが挿入され、これも爆笑の格好のネタになっていますあっかんべー


こうしたコメディシーンがわりと延々と続くのですが、シリアスなシーンとのチェンジは突如やってくるわけでして。ほんとうにスパッとコメディとシリアスシーンを分けてしまう演出。めちゃくちゃ笑わせて、喜劇か?と思い始める頃に、息をのむ場面が展開。演者さんと一緒に緊張し、一緒に胸をなでおろす…という感じでしょうかぴかぴか(新しい)



続いて、男性陣バージョンの「はじまりのおわりに」。こちらは代替わり儀式が行われる組事務所の中の光景が展開されていきます。

初めと終わりが共通。つまり、同じ時間をもう一度見ていることになりますね。
「桜花」で、表舞台のメンバーが次第に覚悟を決めていったり、裏方メンバーがてんやわんやしている理由が、もう一つの視点を通すことでつながってきます。

四谷が最終的に壊れてしまい、恩があるはずの組長にまで手をかけてしまった経緯。坂上が銃を乱射するに至ってしまうまでの葛藤と、時遅しと言えども、その行為を真摯に後悔する場面。そして、組長の娘、まりあの言葉にハッとして、それまで虚勢を張っていたはずの四谷が、大切な人のことを想う姿に変わる場面…。愛情で動くシリアスな場面は、深みを増して見えてくる感じであります。新たな”はじまり”の陰に、壮絶な”おわり”があったということなのでしょうぴかぴか(新しい)


で、こちらのバージョンにもたっぷりとあるコメディシーン。極道な男性陣の皆さんがギャグをかますとあって、女性陣よりもさらにぶっ飛んだ演出になっています。いや、組事務所そのものという光景なので、一段と気を遣った結果というべきか^^

「おわりのはじまりに」にも同様のシーンがありますが、ブランドものの類似品に騙されるあたりから始まりふらふら、次第にエスカレートする慌ただしさ。札束をやりとりしているはずが、なぜか芋ようかんとすり替わっていたり、ベンツとロールス・ロイス、身内の車同士で事故を起こしてみたり、チャリンと異音が聞こえるだけで場内から先に笑いがおきたり(要は、場内を飾るための花瓶を割っちゃったんですな…)。身ごもらせる場面にも、ちゃんと?対の設定が仕掛けられています。

さらには、構成員のお名前が、なぜか黒磯〜大船の”上野東京ライン”と、四谷〜大月の”中央線”の駅名シリーズ電車電車。読み方が違っていますが、若頭「にいやど」も”新宿”と、このひとも駅名仲間ですね。
この中で、唯一、山手線の内側にあるのは、怨念を持っている悪役の四谷、ただひとり。孤独感を表すのヒントだったのかもしれません。



誰が素敵目がハート…とあげていくと、ますますこの稿、終わらなくなってきますので、ちょこっと端折ってしまいますが、女性陣のあでやかさとかわいらしさ、男性陣の迫力と、極道とはいえなんとなくサラリーマンっぽいシチュエーションが感じられる面白味が、なによりの魅力のような舞台だったかと。その中で、あえてお目当ての碧月あいさん以外の演者さんでお名前を挙げるとすると、本当に凛としたお姿を貫き通した、主役と言える藤役の松澤優花さん。そして、ホントに初舞台?と思ってしまうほどにはまり役に見えた、四谷役の後藤光輝さんに、



あ、やっぱり終わらなくなりそう^^
みなさんそれぞれにはまり役だったと思う次第であります指でOK


極道ものでもコメディ。しかし、ちゃんとシリアス。
本格的な夏の訪れを前に、彩のある舞台に巡り合った感じでありました。わーいわーい(嬉しい顔)
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