贅沢に気が付かない田舎者

広々とした庄内平野を走り抜け、稲刈りが終わった水田の所々で落ち穂をついばむ数十羽の白鳥の群れを横目で眺めながら、毎日通勤しています。
今朝、ふと思いました。
”これって相当な贅沢なんじゃないだろうか。”
白鳥たちは、こちらには彼らを捕まえようとするものなどいないことがわかってきたようで、道路際数ｍのところで落ち穂をついばんでいる群も珍しくありません。
何気なくこちらを向いた白鳥と目があったりするのですから、自然が好きな人たちにはこたえられない環境なんでしょうが、私たちにはこれが普通です。

地元に「スパイバー」という“蜘蛛の巣繊維”を作るベンチャー企業があります。その関連施設として、水田が広がる庄内平野の端っこに、観光客用の宿泊施設として“スイデンテラス”というホテルが作られました。
私たちにとって”田んぼしかない”庄内平野は、変化に乏しい退屈な場所なのですが、平らな田んぼがどこまでも続く風景は全国的にも珍しく、外から来た人たちが観光資源にしてしまったわけです。
”やられた！”と思いました。

こんなことが他にもたくさんあるのでしょうけれど、そういう贅沢に気が付かない、私たち田舎者です。