mixiユーザー(id:18648682)

2020年02月29日18:13

97 view

昨今ありがちな、所謂シンギュラリティ

所謂、と言うとTechnological Singularityの事をさして言います。
未来学者が言った予言に含まれるAIが人間の知能を越える時期をさして言う物です。

さて、では果たしてそれは何なのか?と言うのがむしろ語られても不思議ではないのですが、何故か『AIが人を超える』=『シンギュラリティ』と言う形で衝撃的に語られるもんですな。

私が思うには、そもそもその予言自体が未来学からの考察に過ぎないってことです。
どの辺りの歴史を読み解いたものかはわかりませんが、現在のコンピュータ技術の発展が考察されているのであれば、判らないでもないですが。
2029年辺りでAIは人間のようになる、というお話なのですが。多分1940年から2000年辺りのコンピュータの発展・微細化の歴史辺りだろうか、高々60年で微細化は恐ろしく進み、1980年ですらエニアック以上のマシンが手のひらサイズで納まるという発展を遂げる。
後は知るように、それこそ『京』並みの構成が20年もすれば手のひらに収まる、なんて予言とさしたる差がないように思える。

しかし重要なのはそんな話ではなく、ここで重要なのが『AI』と『知能』というお話。

知能って、なに?

で振り返ると、AIって、artificial intelligenceって書いて、「模造の知能」と表記して、人工的に造られた知能をさして言う。
つまり機械仕掛けの知能のようなもの。
確かにディープラーニングなどのプログラミング技術、高速演算を持つCPU、ギガクラスのネットワークを背景としたコンピュータが人間より判断速度を上げることはありうるかもしれない。

でもそれだけ。所詮ノイマン型コンピュータにおけるソフトウェアは、残念な事に膨大かつ複雑化の一途を辿る中、ソフトウェア技術者のためにどんどんソフトが先行し、いまや根底に知識として、いや、意識としてコンピュータそのものに触れることを必要としない開発環境が提供されるがままになっている。
お陰で、知識がなくともソフトやモデルを作成することができる。
オブジェクト指向プログラムはまさに素人向けに出来ている。
その開発環境で作ったソフトを、ミドルウェアを噛ませたデコーダーで走らせれば、PCでもアンドロイドでもPS4でも作動するアプリケーションの出来上がり。

この考え方が定着してきたのはノイマン型の発展が背景にある。
例えばクルマに搭載するコンピュータは、メモリの拡大・データベースの巨大化とセンサの微細化・時分解能の向上により、キャブよりも精密に、それでもキャブ並みに過敏に動作するマップを作成することが可能になってきた。
最早人間のアクセル開度は目安であり、実際にそこから計算された空気量などの補正は0.1秒単位だったものが0.01秒単位で補正されて動作することになり、今のような繊細なエンジンが出来上がる。

多少速度とメモリを過多に使おうと、ソフト作成が楽な方が良い訳で。
なので、マシンパワー過多の時代に既に突入しているワケですが。では果たして、そのマシンで走らせるAIは、本当に人間を越えることができるのか?
いや、果たして何を持って人を超えたというのか。

ハードウェアで言うなら、非ノイマン型のコンピュータを想像しなければならないでしょう。
とてもノイマン型で動作するAIが人を越えられるなど考えづらい。
ところが今度は、非ノイマン型だと今までの常識的な考え方が狂ってくる。なので、果たして未来学者の考察が正しいのか、正直エビデンスが少ないのではないでしょうか。
ソフトウェアで言うのであれば、コレは正直似たような話ではあるが、せいぜい私達がわかるのはノイマン型に限られる。
量子コンピュータですら、まだ使用できる範囲は決まっているため、計算させることはできても限定的といえる。
過去のエニアックのような存在、と言えば近いのではないですかね。

となれば、現状の技術はともかく、およそ60年後には我々の目の前に商業的に現れるかもしれない。
長生きしたら見れるかも。
でも実際には、量子コンピュータは古典コンピュータの上位互換。もっと異なる構造のコンピュータを用いるのかもしれない。
ニューロコンピュータなどはその例に当たると思うんだけど。

ただノイマン型と比すと大きく異なるため、動作させるためのノイマン型に接続されたものという印象も大きい。

そんな、所謂コンピュータが、モノが、人間の知能を越えるのか。

いや越えはせんでしょ。あのアシモフですら2058年のロボット工学ハンドブックにて
1 ロボットは人間に危害を加えてはならない。またその危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

2 ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第1条に反する場合は、この限りではない。

3 ロボットは、前掲第1条、第2条に反する恐れの無い限り、自らを守らなければならない。
と唱えたが、それは自己判断を行うAIに対し、無意識的にも、意識的にも刷り込むことで役に立つ。
普通のAIはインプットに対しアウトプットするだけであって、勝手にアウトプットはしないしできない。

なんで、シンギュラリティを迎えたAIは自己判断ができるものと勝手に判断してはいけないのですよ。

超複雑化したプログラムと、それを支えるハードウェア。
それだけでは判断は出来ないし、当然自我も生まれ得ないと、思うのですが。
ですが、プログラムが回路構造にて自己生成されるのであれば、考え方は異なります。
でもそれって、昔の電子回路構造によるプログラムが自動的に切り替わるようなそんな代物。
しかもそれって、相当考え方はレトロ。

そんなもの、今何処にもありませんけどね。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する