狛犬渉猟File＠平潟神社（水神社）

○File＃559 平潟神社（水神社）
○所在地…千葉県松戸市松戸2166
○社格など…旧無格社
○訪問日…令和2年2月15日
○歴史・由緒など…江戸川の渡し場、宿場として栄えたこの地に、十誉茂山上人なる人物が来迎寺を開山したのが慶長14（1609）年。今も当社の隣接地に建つこの来迎寺と併せて、水神社を祀ったのが当社の創始と云う。神仏分離後は、近隣の宿場・花街の人々の信仰を集めたようだ。



○社殿前の1対（通算841号）

やけに小顔で、全体のバランスには、どこか拙さが見て取れるが、逆にそこが魅力とも言える。

しかし、タテガミのカールや、阿形の歯のギザギザ感など、彫りは深く、しっかりしている印象。

生年は、「大正六年一月一日建之」（吽形台座裏面に紀年銘）。紀年銘の前段には、「鶴寶來新築落成紀念」とあった。「鶴寶來」が何を意味するのか、帰宅後調べてみたところ、かつてこの地区にあった遊郭の名だと判明した。遊郭の新築を祝して奉納されたペアということになる。


○本殿前の1対（参考資料）

瑞垣に囲まれた本殿と拝殿の間、本殿の軒先のところに、木造の狛犬が1対安置されているのが、瑞垣の隙間から目に入ったので、参考に載せておく。
対象までの距離も遠く、何しろ板塀の狭い隙間から覗き見ることしか出来なかったので、ディテールは全くわからないのだが、タテガミや走毛（脚の付け根などに表されている毛）など、かなり細かい彫りが見て取れる。ひょっとすると、古い、貴重なモノなのかも知れない。