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2019年12月14日23:07

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『金文―中国古代の文字―』に行って来た。

夜勤明けの半休を利用してm(__)m

泉屋博古館分館「金文―中国古代の文字―」
【展覧会HP】https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html
フォト
当館で催される古代中国青銅器関係の展覧会は、やってることに気が付けば、必ず伺うようにしている。それほど、いつも高クオリティの展示を見せてくれるのだが、本展も、その御多分に漏れずという感じであった。

今回は、青銅器そのものではなくて、そこに刻まれてる(鋳込まれてる?)文字、すなわち「金文(きんぶん)」に着目、特化した展示である。
何の知識もなく、パッと古代中国の青銅器を見せられた場合、まず目がいくのは、あの奇抜な形態や、その表面に施された謎めいた幾何学文様、すなわち「饕餮文(とうてつもん)」に目がいくだろうが、本展は、そんな「見た目のインパクト」にばかり引っ張られていると見逃してしまいがちな、青銅器に刻印された文字の方、こちらにスポットライトを当てた展示となっていた。

文化史的・美術史的な観点から見れば、重要なのはむしろこの文字の方とも言えるわけで、展示品の青銅器が、何のために、誰によって造られたのか? それがわかるのは、文字(銘文)が刻まれていればこそ。
その点では、文字を持たなかった古代の日本とは違って、やっぱ中国は進んでたんだなぁ、と感心した。
日本の土偶や火焔型土器が、何のために造られ、どんな風に使用されていたのか?
祭器だったというのが通説だけど、これが絶対的な確証を持たないのは、古代中国の青銅器と違って、利用法や紀年銘などの「文字」が刻まれていないからだ。
その、地味だけど重要な「文字」の部分に特化した今回の企画は、着眼点からしてとても面白いと思えた♪

本展では、当館が誇る古代中国青銅器の名品のほか、黒川考古研究所や台東区立書道博物館からも、同じようなクオリティの高い品々が集められ、また、文字が主役ということで、いつもの青銅器の展覧会とは違った、たとえば蓋裏の文字、たとえば器の底面の文字を、クローズアップするような展示法が採られており、その展示の仕方も新鮮で、面白いなぁと思ったし。

あと、当館と、福岡の「芦屋窯の里」が共同して、これまで謎とされてきた、古代中国青銅器への文字の刻印方法・鋳造技術の研究を行い、有力仮説が得られたとして提示してあった資料展示がまた面白かった♪
ただし、知識も想像力も乏しいわしのような者では、文章と写真、それから一部の復元展示品だけでは、解説されてもその方法をイメージするのは難しい、て部分はあったけどね。。(;´∀`)

なお、当館は来年1月より、約2年半の改修休館に入るんだそうだ。
質の高い展覧会を見せてくれるミュージアムなので、えーっ残念とも思ったが、新しくなって、また是非素晴らしい展示を見せて欲しいm(__)m
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