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2020年01月23日00:00

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「DOMANI・明日2020」

文化庁の新進芸術家海外研修制度の成果を発表する場として、1967年から毎年開催されてきた「DOMANI・明日」展。今年は、オリンピック年ということもあって、特別展の「傷ついた風景の向こうに」を、1月11日〜2月16日まで、国立新美術館で開催中。
新進気鋭の作家から、ベテランまで、11人のグループ展だ。石内都の写真「傷跡」をプロローグに、森淳一や藤岡亜弥、若林奮、宮永愛子等の作品が、5つのテーマごとに並び、最後は畠山直哉の新作写真が、エピローグ。11人中5人が、写真作品なのも、今年の同展の特徴。
個人的に、感慨深かったのが、佐藤雅晴の遺作「福島尾行」。自ら撮影した震災の爪痕が残る福島の映像に、一部、アニメーションを合成した作品で、以前、お茶の水のアーツアンドスペースで観た時、佐藤は自らが癌の末期であることを、明かしていた。福島の傷跡に、余命宣告を受けた佐藤自身の身体とを、心の中で、ダブらせることで、観ていて、涙が出た。
その佐藤は昨年3月、作品を完成させることが出来ず、亡くなったとのことで、これが、本当に、遺作になってしまった。20年前に佐藤が制作した、初のアニメーション作品も、併せて、上映されている。
その他、宮永愛子の巨大なインスタレーション作品「景色のはじまり」なども、見応えがあった。
「DOMANI・明日」展には、新進気鋭のアーティストの作品を、いち早く観ることが出来る展覧会として、ほぼ毎年、通っていたが、ベテラン作家の作品も、併せて紹介する今年は、少し、趣が違う。ただ、その分、やや驚きが薄れたこともまた、事実。
そういえば、近藤聡乃さんの作品と、初めて出会ったのも、同展だったなぁ・・と。そこで出会った作品は、その後、私のコレクションとなって、今、家にある。

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