科学研究費助成金基盤研究「権力の生成と変容から見たアンデス文明史の再構築」主催のシンポジウム「アンデス文明初期の神殿と権力生成」が、昨日と今日、田町のキャンパス・イノベーションセンター東京で開催され、昨日の第1日目に参加した(今日の2日目は、諸般の事情で欠席)。
昨日のシンポは、午前10時半に始まり、午後7時過ぎまで続く長丁場のもので、さすがに疲れた。その発題タイトルのみ、以下に列記してみると、
関雄二「パコパンパ遺跡における建築の変遷からみた権力形成」
坂井正人「パコパンパ神殿における景観と建築活動:人類学的物質文化研究の視点より」
中川渚「パコパンパ遺跡の土器から考察される社会変化」
荒田恵「パコパンパ遺跡における生産活動と消費活動 土器・骨角器・土製品・金属器の分析から」
荒田恵他「パコパンパ遺跡における金属精錬と加工 形成期の祭祀遺跡でおこった技術革新」
日高真吾他「アンデス文明形成期の金属製品に関する一考察 蛍光X線分析の結果から」
鵜澤和宏「神殿に運ばれた動物たち 動物利用からみた古代アンデス社会」
長岡朋人他「古人骨から古代アンデスの生老病死を復元する パコパンパ遺跡から出土した人骨の生物考古学的分析」
瀧上舞他「同位体分析から考察するパコパンパ遺跡の生態資源利用」
鶴見英成「神殿がそこに建つ理由:ヘケテペケ川流域における神殿の興廃の歴史から」
つまり、最後の鶴見さんの発題を除けば、いずれもパコパンパ遺跡をめぐるミクロ・レベルの研究報告で、専門細分化された現在の考古学研究の実態を、正直に反映しているとはいえ、一般の聴衆にとっては、あまり、面白くない内容であっただろう。もっとも、そうした、いわゆる「一般の聴衆」は、生憎、参加しておらず、専門家や考古学を学ぶ学生と、限りなく専門家に近い考古学マニアとが、その参加者の大半でしたが・・(笑)。
最後の鶴見さんのお話は、他の地域のアンデス文明初期遺跡との比較検討・・という、2日目のシンポの一部をなす発題。私としては、どちらかといえば、そちらの方により興味があり、諸般の事情で、2日目のシンポに参加出来ぬことが、残念だ。
参加しての感想等は、また、機会があれば、改めて。
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