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2020年03月30日02:27

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コミケ中止は今回だけで終わらせよう

■『コミックマーケット』史上初の開催中止、正式に発表「苦渋の決断」 夏への延期は現状なし
(ORICON NEWS - 2020年03月27日 19:34)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6025036

■コミケ中止、東京五輪の延期で今後の開催も不明 政府などに配慮要望
(ORICON NEWS - 2020年03月27日 20:33)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6025113

●文化芸術に関わる全ての皆様へ
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/sonota_oshirase/20032701.html

 コミケの中止をお気楽に英断だと呟いてる人も多いけど、事務局がどれだけ苦渋の決断をしたのか、理解できてないんだろうな。
 コミケの創始者の故・米沢嘉博さんには、学生時代にお会いして(うちの大学に遊びに来られた)、漫画が文化として認められるためには、ファンジン(主に同人誌を指す研究・評論活動)がいかに重要かを縷々語られるのを伺ったことがある。
 やおいもBLも、言葉としてはまだ存在せず、そちら方面の作品は耽美系と言われて、パロディの一種にカテゴライズされていた時代だ。しかしそうした作品を、米沢さんは「批評」として評価されていた。

 漫画家の中には、自分の作品をおちょくられることを不快に思う人もいらっしゃるが、作品の批評は読者の自由である。作者とて、それを勝手な規制することは許されない。
 よくコミケは著作権侵害かグレーゾーンだと言われるが、元ネタをパロディ作家独自の視点で作り替えるのだから、元ネタのコピーには絶対にならない。盗作と呼ばれるのは、絵柄も構図も物語展開も完全に一致している場合のみで、そんな同人誌などはまずありえない。例の贋作『ドラえもん最終回』が問題視されたのは、絵柄がそっくりだった上に、「いかにも藤子・F・不二雄が描きそうな内容」で、実際に本物の最終話かと勘違いした読者が続出したからだ。
 ほとんどの同人誌に、そんなあからさまな模倣は見られない。コミケを知らない人は
、インチキなニセモノを販売している胡乱な集会だとか、未だに宮崎勤事件の影響で変態が大集結しているサバトだとか、とんでもないイメージで見ている人もいるが、とんだ偏見だ。コミケのスタッフは(そして売り手も買い手も)、ほぼ半世紀にわたろうとする年月をかけて、そうしたイメージを払拭しようと努力してきたのだ。

 イタコ漫画家の田中圭一は、コミケでも続々と大家の絵柄を模倣した作品を発表し続けているが(やめるやめると言いながら描き続けてるね)、もちろん、内容は元ネタとは全く異なり、ひたすらエロと下ネタである。ブラック・ジャックもメーテルもナウシカも、みんなエロのためのエロに徹して、「くぱぁ」なんてやってるのである。故・手塚治虫がそれを見たら何と思うか、きっと「氏の描くエロはあんなものじゃありません! もっとエロです!」と激怒して、実際に描いてしまうだろう。
 そしてコミケで『奇子・ノーカット版』とか売ってたに違いない。

 今でこそ手塚治虫は「漫画の神様」と称えられて、ヒューマニズムの塊、人間の善性の権化のように思っている人も少なくないが、かつてはその過激な性表現のために、何度となく「悪書追放運動」の標的にされてきた過去がある。もし手塚が生きていれば、新型コロナによる自粛要請の裏に、漫画も含めた芸術・文化活動に対する偏見・差別意識があること、その偽善性も簡単に見抜いていただろう。
 「コミケは存続されなければならない」そう主張していたのではないかと思う。勝手に故人の思いを代弁するなと叱責されそうだが、原子力で動くロボットを描いてるくせに原発の推進運動には明確に異を唱えてた人だからね。「世間の風潮」に流されて中止もやむなしなんて日和ったことを言うとは思えないのである。

 もちろん、70万人超のファンが結集する超特大イベントだから、いくら広大なビッグサイトとは言え、ライブスタジオ以上の密集空間になることは、れまでの開催状況から考えても、当然、予測できることだ。感染拡大の確率は極めて高いと言わざるを得ない。
 それを何とか緩和できないものかと、私も無い知恵を絞ってみたのだが――。
 参加サークルはおよそ3万5千。これを1万まで絞って、四日間に分ければ、一日当たり2500サークル。これならまず、隣のスペースとの間に机一つ分の距離を作ることは可能だろう。
 参加者の数も、同様に事前に抽選でもして、人数制限を図る。長蛇の列が出来ないようにするためには、どこのサークルを廻りたいのか、これも事前申請させて、一つのサークルに集中しないように振り分ける。会場に入る時間、出る時間も指定して、ある時間帯にだけ人がどっと押し寄せるような事態を避ける。
 そうすれば何とかならんかと思ったんだけれど、2点、問題があってね。まず、事務局の事前準備が膨大なものになるってこと。それに、人気のサークルは当然、希望者が殺到するから落選する人もたくさん出るわけで、せっかく振り分けても不公平感が出ることは否めない。

 そして、これが最大の問題となるけれど、参加人数を減らせば、売り上げもどっと落ちることになるわけで、「130億円規模」の維持は確実に不可能ってことになる。買い手の数が激減するとなれば、最初から部数が刷れない。余りは委託販売すればって意見もあるが、その数にも限界はある。大手はまだしも、多くのサークルが爐海譴泙念幣紊豊畧峪覚悟で参加せざるを得なくなるのだ。……まあ、参加者が一冊1万円くらいで買ってくれるなら別だろうけどね(これまでの平均は1人頭2万6000円)。
 結論。規模縮小での実施には限界がある。少なくとも、感染対策として機能するレベルでの実施は現実的ではないと考えざるを得ない。新型コロナの流行が収まるまでは、中止を決断するしかなかったのだろうなあ……悔しいけれど。

 いつかは、新型コロナにも有効なワクチンが開発されて、この騒動はいったい何だったんだ、ってことになるのかもしれない。けれども、ウィルスの蔓延は、これで終わりと決まったわけではない。終わるわけがない。第二、第三の、新々型ウィルス、新々々型ウィルスが確実に現れる。
 これまでだってウィルスの大流行なんて何度もあったのに、そして死者数も新型コロナの比ではないくらいに増えたときもあったのに、我々人類は気にもしていなかったし、国もマスコミも全く騒いではいなかった。一部の識者が警鐘を鳴らすものの、大方は無視して、そうこうしているうちに、一部の研究者・専門家の努力で感染が収束する、その繰り返しだった。

 しかし、我々は「学習」してしまったのである。「ウィルス流行」に敏感なアンテナを取得してしまったのだ。
 これまでも、コミケ帰りに体調を崩して死亡した人間は、数多くいたはずだ。しかしそれらは特にウィルスと関連付けられることもなく、ニュースにもならずに放置された。しかし爐海譴らは瓩修Δ呂いない。陽性反応者の感染経路が調べられ、2週間以内に「コミケに行っていた」と判明すれば、それが数人であっても確実にクラスター扱いされる。コミケそのものが「感染の温床」と認定され、バッシングされることになるだろう。「今の」コロナ流行が終わった後でもだ。
 不要不急か必要至急かに関係なく、ともかく外出者を犯罪者扱いするファシスティックな風潮ができあがっている現在、確実にそうなると予言できる。「また次があるからね」とか「復活を信じて」とか、気楽に言える状況ではない、というのはそういうことだ。

 その規模から考えて、感染者をゼロにすることがほぼ不可能であろうと想定される以上、コミケの中止はやむを得ざる判断だったということは理解できる。
 しかし、現代日本文化の礎と言ってよい漫画文化を根底から支えているのがコミケであるという認識を、我々は決して忘れてはならない。漫画は今やサブカルチャーではない。文学も音楽も超えたメインカルチャーなのだ。それを理解できない政治家の愚策に従うばかりでは、日本の文化は確実に死滅する。
 たとえ、次にまた新型のウィルスが流行することがあろうとも、コミケの灯を消さないために、我々は戦い続けなければならないと思う。

 昔、一回だけコミケの売り手側になったことのあるコミケ初心者のささやかな提言でした。


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