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2020年03月24日20:55

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魔女狩りなんか糞食らえ

■加藤厚労相「遺憾な事例」=検査結果待たず女性帰宅に―新型コロナ
(時事通信社 - 03月24日 11:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6020014

 感染被害者に対するバッシングが後を絶たなくなっている。
 世界的な大流行を見せている新型コロナウィルスであるから、感染者を怖がる心理も理解できないわけではない。震災時の福島原発事故後、福島県民への差別については「いや、放射能は移らないから」と言えたが、コロナは移っちゃうからなあ。高齢者や病気持ち以外は大概治るよと言っても、「治らなかったら死ぬじゃん」と返されてしまう。
 けれどもそれらは正直言って考えすぎによる過剰反応であり、被害妄想に近い。恐怖心が肥大して、すっかり冷静な判断が出来なくなっているのだ。そんな人たちが、集団になって「魔女狩り」に近い告発を行う事例が多発しているのだから、感染拡大よりもそちらの方がよっぽど怖い。

 感染者に対して、うかつな行動を取っていたのだろうと非難するくらいならまだしも、名前を出せ、どこに住んでる、顔写真を晒せ、逮捕しろと、本気で訴える、どうやって探し出したものか、名前をネットにアップする、そういうことをやらかすやつらって、実際にいるじゃない?
 そうした情報が後になってデマだったって分かったことだってあるよね?
 デマを拡散した罪で、書類送検された例だってあるんだよ?
 イキり立って被害者を罵っている時は快感に酔い痴れているのかもしれないけどさあ、どんだけ幼稚かつ愚昧な行動を取っているのか、少しは理解してもらいたいものだね。

 彼らは、自分の情報がデマであることを恐れない。デマでも構うものかと思っている節すらある。そうなると、被害者は必ずしも本当の感染者とは限らなくなる。
 特に感染者が政府によって隠蔽されているなんてインボー論まで出回っているのだから、ちょっと風邪を引いて学校や仕事を休んだだけでも「あいつコロナじゃねえか」とウワサされることも十分にあり得るのだ。……と言うか、そう言われている人、既に絶対にいるよね。二日酔いにもなれないんだからね? お酒飲みな方は確実に「魔女狩り」のターゲットにされると思っておいた方がいい。

 沖縄の女性(というか女子高生)については、この記事だけではあまりにも情報が少なすぎるので、あっちこっちの記事を読みあさって、ようやく女性の帰宅までの経緯がなんとなく分かってきた。引用したら煩雑になってしまうので、それは控えるが、総合して判断すると、彼女をうかつだとも決めかねる点が結構ある。

 臨時休校中、外出を控えるようにという学校の指示を無視した、というのは一応は批判の理由にはなりそうである。しかしそれが感染リスクを劇的に高めるほどの重い罪に当たるのかと言われれば、そこまでのことはないと答える人の方が多いだろう。だってみんな、要請無視して結構外出してるから。
 いつ感染が収束するかも分からない先行きが見えない状態で、ずっと家に閉じこもっていろ、と言う方が無茶な相談だ。沖縄の家族を批判できるのは、自粛要請が出てからこっち、仕事にも遊びにも全く出かけずに引きこもっていた人間だけだろう。いるのかね、そんな人(元からの自宅警備員は除く)。

 「だからと言って、何もこんなコロナが流行っている時期に、特に感染の拡大が見られるヨーロッパに行かなくても」というご意見も当然あることだろう。
 しかし、もしも休校措置を逆に利用した旅行ではなく、感染が流行する前から家族旅行を計画、飛行機も予約済みだったとしたら、そう簡単に中止はしないのが人間の心理。もう相当金をかけてしまっているので中止を選択することが出来ないオリンピックと似たようなものだ。

 行政として、成田で検疫を行ったところまでは評価できる。しかし、その後、待機要請を伝えて、家族が素直に従うと考えていたとしたら、そちらの方がアホなのかと言われても仕方がない。
 だって、待機するホテルなどの施設も用意していない、仮にホテルを自分たちで取った場合の料金も家族たちの自腹、予約していた沖縄へ帰る便のキャンセル料も空港は払わないし、そもそも代替の便を用意するつもりもない――。
 これで素直に待機してねと言われて応じる人間の方が稀だろう。家族の誰かが罹患している可能性があるから全員居残りですと言われて、はいそうですかと言うことを聞くとしたら、そちらのほうがよっぽどおかしい。そういう状況があるのに、厚労省としての見解が「誠に遺憾な事例」って、自分たちの準備不足がその事例を引き起こした大きな原因の一つになっているって、理解してないのか?

 緊急事態宣言を出して、家族を全員、むりやりにでも空港に留め置いた方がよかった、と考える人もいるだろう。指示に従わなければ処罰すると言われれば、さすがに自己判断で帰るわけにもいかなくなる。
 しかしその場合でも、家族の宿が保障されない、食事も出ない、部屋から一歩も出られないという状況は変わらない。「指示」をするのなら、それらの待遇をあらかじめ用意してからでなければ、ただの拉致監禁にしかならないではないか。患者は捕虜でも奴隷でもないんだぞ。

 政府が本気で感染の拡大を阻止したいと考えているのなら、こんなザルな対応は決して取らない。
 政府を擁護したい人たちも、いい加減、打つ手打つ手が杜撰なものばかりで、弁解のしようがないってことに気がついているんじゃないのか? 批判しなきゃならないのは、感染者ではなく、未だに適切な対応を取れない行政の方だろう。

 この沖縄の家族に全く非がないと言いたいわけではない。海外に渡航するにしてもなぜよりによって感染の危険性の高いスペインのマドリードなんかを選ぶんだよ、鹿児島くらいにしとけばいいのに、とは思う。どうしてもスペインじゃなきゃダメだという特別な理由でもあったのだろうか。そのあたりの事情はさすがにどの記事にも載っていなかった。

 感染拡大とは言っても、日本が欧米ほどの爆発的なパンデミックに至っていないのは、国民に衛生観念が普及していることと、なんだかんだで「自粛」の効果もあるのだろうとは思う(でも休校措置や開放的な空間でのイベント中止はやっぱり無意味だと思うが)。
 しかし、こうも自粛自粛で自由が侵害され続ければ、どうしたって少しは羽目を外そうって人間も出てくるものだ。特に誰ぞの「自粛延長要請」のせいで、いつまで我慢してればいいんだよと痺れを切らしている人は決して少なくないと思われるから。
 それを非難してさらに萎縮させようとしても、かえって各地でストレスが爆発しかねない。「魔女狩り」が魔女を生み出すような事態になれば、これは全くの逆効果というものだろう。

 実際に、この三連休は、各地で花見客も含めた観光客が復活し、混雑の様相を呈していた。みんな、もう大丈夫だろうと思って外に出ているわけではない。自粛自粛の圧力に我慢しきれなくなって、感染しようがさせようが知るか、くらいの気分になっているのだと考えられる。
 沖縄の家族も、もしかしたらそういう心理状態に追い込まれていたのではなかろうか。

 感染の拡大を阻止したいなら、こうした「外出者」を一律に規制するのではなく、個々の観光地や施設での消毒や換気等の防疫体制を充実させていくことが肝要だろう。繰り返すが、やらなきゃならないことは、感染者を罵って終わりの「魔女狩り」のような感染防止に寄与しない行為ではないのだ。
 行政はまず、まだ続いているマスク不足をいい加減でなんとかして見せろよ。焼け石に水の対処しか出来てないくせに、まるで責任転嫁するように感染者を非難する発言をするから、とことん無能だってことがバレちゃうのだ。
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