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2020年01月26日23:51

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【ネタバレなんて予告編で最初からしてるでしょ】『CATS』のいるロンドンはオタクの聖地だ!

「キャッツ」がホラー映画である「8」の理由 悪夢に支配され、あまりの恐怖に涙する
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=5949023

 舞台版は猫男や猫娘の大群が、客席を走り回ってお客さんに絡むやつもいるからなあ。その点ではホラーだって言ってもいいとは思うよ。でも映画は別にスクリーンから猫人間が飛び出してくる訳でもないし、怖くないよ?
 確かに「G」がダメな人には人の皮を被っていても(という表現は妥当ではないが)無理めかも。

 でもねえ、『CATS』が映画化、と聞いた時点で、出演者が「猫人間」になることは分かっていたはずだよね? 実際、予告編はその通りだったじゃない?
 ストーリー構成上、舞台版と比較すると、あちこち細かい変更はありはするよ。でもそれらの殆どが、舞台を根幹から否定するようなものではない。むしろエリオットの原作よろしく、「さまざまな猫たち」を強調する仕上がりになってる。
 長老猫・オールドデュトロミーがジュディ・デンチになってるのは(舞台ではオスネコ)、初演の舞台に彼女が事故で出られなかったことへの慰労の意味もあるんだろう。でもその変更が物語に支障を来しているわけではない。長老猫としての役目は舞台版同様にしっかりと果たしている。
 もっとも、イメージがガラリと変わった猫もいて、例えば主役のヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)は舞台版ではいたかいなかったか分からないくらいのチョイ役キャラだったのが大胆にフィーチャーされている。ミストフェリーズ(ローリー・デヴィッドソン)が臆病猫になってたのは、舞台のひたすら格好いい彼を見ているとガッカリしてしまった。そうした部分に違和感を覚える面はないわけではない。
 しかしそれらの変更点も、ほぼ「予想の範囲内」である。逆にそれくらいの改変はしないことには、舞台と違った「映画らしさ」を出すことはできなかったのではないかと思えてしまう。映画は舞台同様、天上に昇る猫を決めると同時に、ヴィクトリアが新しいジェリクルキャッツの一員として仲間入りする「儀式」の物語でもあるからだ。
 ビックリしたのは記事でもちょっと触れられているジェニエニドッツに関する「あるトリック」くらいのものだ。あれは確かに怒りを覚える人もいるだろう。でも私は全然無問題。ブラックなギャグは大好物なのである。

 つまり、最初から「猫人間」に拒否反応を示すような人でなかったら、映画に嫌悪感を覚えることもそうはないはずなのだ。だから『CATS』ファンとしては、本国アメリカでも日本でも「酷評の嵐」だというのはいささか理解に苦しむのである。反感持つ人がいるのは分かるが、なぜそこまで? という疑問だ。
 みんな、舞台版を観てないね? 「観てても気持ち悪い」って言ってる人もいるけれど、単に酷評に乗っかって貶してるだけと違うか?
 「『ライオンキング』のように、リアルな猫CGでやればよかったのに」という声もあるようだが、実際には「人間のダンス」が『CATS』のキモなんだから、CGにしたらファンが「人間でやれよ」と言うに決まっているのである。「『死霊の盆踊り』を越える駄作」とまで扱き下ろす人がいるっていうのが不思議でしかたがない。

 チープにならざるを得ない低予算映画ではないのである。むしろ大金を投じて製作されたにも関わらず、猫に扮したダンサーたちが本質的に持っているチープ感がB級テイストを醸し出していることに、ファンは喜びを見出すものではないのだろうか。そのイカれたコスプレから繰り出されるダンスが恐ろしく超一級だというギャップ、これを楽しんで評価してこそ、『CATS』が「映画」として傑出していることを指摘できるのではないか。
 『映画秘宝』休刊3月号では、ガース柳下氏が、「『キャッツ』は人類には早すぎたかもしれない」と評していたことに触れておこう(苦笑)。

 ええ、もう私は評価しますとも、『CATS』は。特にオタク的には日本アニメの伝統とも言っていい「猫耳少女」をここまでリアルに、そしてセクシーに再現してくれたって点では五つ星を付けてもいいくらいなのだもの。
 ジェリクルキャットって結局何なんだよ、「ネコぱら」みたいなもんかと思いつつも、ヴィクトリアに「ご主人様(はあと)」と言ってほしいオタクは、この国には結構な数がいるはずなのである。あるいは『世話やきキツネの仙狐さん』の中野や『メイドインアビス』のレグや『旗揚!けものみち』の源蔵のように、「もふもふ」に取り憑かれた困ったちゃんがいるに違いないのだ。共感求むよ(苦笑)。

 それはさておき、ロンドンって、まだアガサ・クリスティーの『ねずみとり』上演してるのな(劇中で看板が見える)。もう終わらせる気がないんだろうなあ。でも世界記録樹立してるのに、日本では『CATS』よりも無名なのが、ミステリーファンとしてはちょっと寂しい。『モリアーティ』はマカヴィティのモデルになってると言われているから出したんだろうな。そうしたディテールも楽しめる映画なのである。


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