またアクセルとブレーキの踏み間違い？

　一旦ブレーキだと思って踏み込むと瞬時には切り替えられません。焦ってさらに踏み込むことになります。実際わたしにも経験があります。ブレーキだと思って踏んでいるのでクルマが減速しないとさらに強く踏み込みます。これは自然な思考の流れです。高齢だからとか運動技能とかいった問題ではありません。
　一昨日高齢者の似たような事故がありましたが，年齢は関係ないと思います。むしろ，高齢者だから危険という認識に流れていることの方が危険です。改善すべきは運転手ではなくてアクセルとブレーキの構造です。
　アクセルとブレーキの動作がまったく同じで。位置だけがわずかに違うという構造に目を向けなければなりません。人間のやることですからどんなことでも間違いがあります。でも，重大な間違いを起こしかねない構造，つまりこんな似たような操作を放置してきたことが大問題です。今後，運転者の高齢化はどんどん進みます。もう個々人の責任に転嫁できる状況ではありません。
　一時期，ナルセべダルなるものが評判になりました。絶対に踏み間違いの起こらないシステムです。あのペダルが普及しなかったのはいくつかのデメリットがあったからでしょう。操作上の問題だったかもしれないし，コストの面だったかもしれません。ただ，大手メーカーにとって克服できないようなレベルではなかったように思います。
　アクセルとブレーキの構造を真剣に考えるべきときではないでしょうか。高齢者などの一個人に責任を転嫁して終われる問題ではなくなってきていると思います。
　亡くなられた方は本当に気の毒ですが，８７歳の運転者もバスの運転手もいわば運転システムの被害者とも言えます。

■運転手「ブレーキ中に急発進」　２人死亡の神戸バス事故
(朝日新聞デジタル - 04月21日 20:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5590739