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2015年12月21日20:53

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張作霖と袁世凱

 中国人の先生に聞いてみました。
「張作霖って中国の人から見て,どんな人なんですか?」
 共産党政権下で教育を受けた先生(今の中国人の平均でしょうか)にはあまり受けはよくないようです。
「盗掘とかした人でしょ」
 日帝にこびを売っていた裏切り者という見方もあるのかもしれません。
 浅田次郎さんの『中原の虹』では英雄です。張作霖は「東北王」と呼ばれ,みんなから慕われ尊敬されていた人物として描かれていました。
「袁世凱は,どうですか?」
 袁世凱は悪人,これは浅田次郎さんと先生の意見が一致しました。袁世凱を評価する人はあまりいないようです。
 孫文は,『中原の虹』では理論的な指導者ではあったけど実行力がなくて頼りにならない存在として描かれていました。でも,先生は孫文のことは高く評価していました。
「じゃあ,西太后はどうなんですか?」
「悪女ですよ。強権を発揮して何でも思いどおりにした」
 現代の中国では西太后は反革命の極悪人になるのでしょう。でも,浅田次郎さんは単なる悪女とは見ていなかったようです。むしろ中国を救ったのは西太后,中国を西洋の強権から守るためにあえて強権を発動しイニシアチブをとった,そう見ていました。
「でも,西太后がいなかったら,中国は西洋の国家の植民地に分割されていたかもしれません。西太后は瀕死の中国を強権で支えていたのかもしれませんよね」
 先生にそう言ってみました。浅田さんの小説からの受け入れです。
「そうかもしれないですね」
 激しく反論されるのかと思いましたが,先生はそう言ってくれました。

 評価って,見方しだいでまったく変わってしまいます。
 『中原の虹』と,その続編『マンチュリアン・リポート』,たいへん面白い小説でした。
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