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2022年01月20日15:46

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包括人称

世界言語の人称代名詞とその系譜 人類言語史5万年の足跡@読中感想文
ハナからちゃんと読むつもりはなかったのだが困った事になった。面白い。

包括人称というのがある。なんだそれ?
一人称(話し手)、二人称(聞き手)、普通の会話では一人称と二人称が交互に入れ替わり、それに応じて人称もくるくる入れ替わる(一人称を独占したい人が一方的に話す場合はさておく)。面倒くせえから一緒にしてしまえ!という言語があり、1+2人称、つまり両方を表す言葉を持つ言語がある。それが包括人称だ。

 時は18世紀(だよな?)。大航海時代、アメリカ大陸やオセアニア世界に進出したヨーロッパ人は、この彼等の知らない人称に面食らった。そこでヨーロッパ人はこれを一人称複数のサブカテゴリとした。なるほど、たとえば日本語の場合「俺ら」としたら「お前と俺」の包括人称になりうる。だが例えばメラネシアのトク・ビシン語には一人称複数と包括人称複数が両方あり、当然だが一人称複数には二人称は含まれない。含む・含まない、の両方の言葉が有ったら使い分けるよね。
 そもそも太平洋沿岸地域では単数形と複数形の区別が無かったという。中国語も日本語もいかにも後付けの複数形だ。

 ここから本書から離れる。もともと日本の一人称代名詞の多さと西欧ではそれが1つだけなのは何故か?が疑問の発端だから、並行してスマホで検索したりしている。質問・回答サイトで膝を打つ回答者の書き込みがあった。日本語には人称代名詞はなく人称名詞があるだけだという。別のサイトで西欧語の人称代名詞は機能語で日本語のそれは意味語だとの記述もあった。

 西欧すなわちインド・ヨーロッパ語族では人称代名詞は機能語だからけっして略せない。略したら命令形になってしまう。いっぽう日本語は人称代名詞はしばしば略される。それどころか主語さえ略される。分脈や状況で推測できるだろうという事だ。
「@@の話してるんだから(主語は)00に決まってるだろ!誰がとか訊くなよ」
 鶏が先か卵が先か同様、文化が先か言語が先か判らぬが、日本の空気を読んだり読ませたり、忖度したりさせたりの文化は言語と密接だと思う。それが日本人の利点でもあり欠点であるのかもしれない。日本人は空気を読んだり忖度する為に必要だから論理的思考を無意識的にやっている。無意識的だから言葉で説明できない。西欧人は言語に論理回路が実装されている。だからといって西欧人は陰謀論とか魔女狩りとかしている。日本人も空気を読んだり忖度は論理的であっても科学的ではない。論理的思考はそれだけで成立するものではなく与えられたデータに依る。少ない情報で論理的に考えても妄想に行き着くだけだから。

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