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2020年02月26日13:43

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殻を捨てよ陸へ出よう2

「ゲッチョ先生のナメクジ探検記」読書感想文

 もうひとつ興味深い記述があった。ナメクジが殻をなくした理由についてだ。1つは狭い所に入り込める機動性だがもうひとつ、殻を作るコストが莫迦にならないそうだ。鳥を例に説明している。
>鳥も飛ぶことのメリットは大きいのだけれど、飛ぶためのコスト(飛ぶための筋肉や骨を作るコスト、飛ぶこと自体のエネルギーコスト)があるから、そのコストを省いてもかまわない場合(天敵がいない、地上でも餌がとれる等)は、飛ばなくなる。-中略-鳥が飛ぶというのは大変なことなのだ。

 だが、ここで疑問が発生する。カタツムリからナメクジへと殻のコストを省いてもかまわない場合とは何だろうか?鳥の場合は飛んで新天地を見つけて、そこに天敵が居ず地上でも餌がとれる等の状況が生まれ飛ばなくなったのだろうが、ナメクジのそれとは?尤も動きの遅い彼らのことだから乾燥した場所と湿気の多い所とのほんの狭い距離でも新天地なのかも知れないが。
 私なりに仮説を立ててみる。ナメクジには脳があり嫌な事は3週間ほど忘れないそうだ。脳の進化が殻を不要にさせたのではないか?或いは同時進行かもしれない。殻のあるカタツムリは乾燥状態を気にする必要はなく、乾燥すれば殻に閉じこもっていれば良い。いっぽうナメクジは常に湿潤な場所を求めねばならぬ。彼らが得られる情報は明暗程度しか得られない視覚・嗅覚・触覚、冬眠すると言われているので(これは覆りそうな気がする)温覚、あたりまえだが彼らはスマホのGoogleマップの衛星画像を見たりできない。それでジメジメした所を上手く見つけて寝ぐらにしたり産卵したりするのだから相当頭が良くなければ無理だろう。
 実際ナメクジは脳の研究の実験動物に使われているという。先ほどのコストの話で殻にエネルギーを投資しないから成長が早いし、入手性も良いので実験動物に適しているのだろうが、カタツムリの脳とナメクジのそれに差異はあるのだろうか?

 ひとつじゃなかった、他にも。
>「カタツムリの科の半分ぐらいはナメクジを含んでいる」
 それを言った先生のネットのページを私も見てみた。本書は10年近く前に発行された書だが、ネット上にそれがまだあった。”収斂進化”という文字があった。様々なカタツムリの科から進化したナメクジが同じ姿をしているのはやはり収斂進化だったのだ。

 以前、カタツムリとナメクジの中間がないのはなぜか?と疑問に思っていたが、それはとんだ無知のなせる業だった。全然いるのだ。ヒラコウラベッコウ!チャコウラにも殻の形跡たるコウラがあるがヒラコウラベッコウのそれはもっと堂々としたものだ。さらにはカタツムリで身体が殻に収まりきれないような種もあるという。

 蛞蝓・・・調べれば調べるほど面白い!
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