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2020年05月26日10:51

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本に見る人間の本質

5月26日(火)曇り
ボランティア仲間のSさんから借りた本「行方」(春口裕子著)
ざっくり言いますと・・・
幸せに暮らしていた家族を襲った幼児失踪事件。
その女の子の母親と姑との確執、母親のパート仲間たちの証言、幼稚園の自己防衛、幼稚園のママ友とその子どもも絡んでくる。
マスコミやそれにまとわりつく野次馬達の中傷や嫌がらせ。
こういう話は得意じゃないし、自分ではチョイスしない本だが、本自体にも作者にも全く先入観無し、事前情報無しなので、思わず引き込まれて一気に読んだ。

本屋大賞を取った「流浪の月」も、失踪とか誘拐というワードのチラつく話で、
でもこちらは、悪(養育家庭に問題あり)と善?優?(保護した大学生)という構図なので、今思えば感情移入が楽だった。
が、今回読んだのは、この善悪を付けるには色々な状況が切なすぎる。
これは二時間サスペンスドラマで是非やってほしい。

ドラマといえば、その前にも別のボランティア仲間Mさんから借りた本「Quos(キュロス)の女」(誉田哲也著)も、なかなかにサスペンスドラマ仕立て。
こちらは、世間を騒がす謎のCM美女の素性を巡り、芸能記者がスクープをゲットするために奔走して・・・
ネタバレすると、ぢつはこのCM美女は単に芸能事務所の事務員さんで、たまたま撮影現場で監督に気に入られて撮影されたのだが、そのあと、ネットであることないこと言われ、目撃情報を流され、盗撮されたりと散々な目に遭う。

最初の「行方」は、この誘拐事件が起きた時代設定が平成四年となっているので、今ほどネットの普及率は高くないということで、誹謗中傷はもっぱらいたずら電話などによるものだ。
だが、手段は何にせよ、人間というものはいつの時代も人を誹謗中傷するものだ。
決して今、このネット社会だから、というわけではない。

ワタクシが、今年イチオシの本「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」に、いじめの話がある。
クラスでのいじめの話を聞いた母が「人間って、よってたかって人をいじめるのが好きだからね」と言うと、息子君が言うのだ。
「人間は、人をいじめるのが好きなんじゃなくて・・・罰するのが好きなんだ。」
ホントその通りだ。
先日、女子プロレスラーの方が亡くなって、ネットがざわついていた。
そのあと、ニュースとかでも取り上げられていたが、フジテレビの「テラスハウス」という番組に出ておられたらしい。
シェアハウスで暮らす若者達のリアルな日々を追った番組で、その中での彼女と同居人とのトラブルの様子が映し出されてからネットで叩かれ誹謗中傷されていた。
彼女の激昂する様を見て、これは罰すべきという正義感を持った人、彼女から罵られる同居人に同情した人、もともと彼女の事を好意的に見てなかった人、色々だろう。
「罰して良し」という旗が振られたのだろうか。
そして、彼女が亡くなり、今度は番組制作側に矛先が向けられ、それに出ていた共演者達にも刃は向けられ、
いやいや、そもそもはその番組を喜んで見てたんでしょあんたたちも!という目もあり・・・
人間の、正義感とか優しさとという本来持っている本質を、どう扱うべきなのか、怖くなる。
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