「暴虐の雲 光をおおい 敵の嵐は 荒れ狂う……」。マルクス主義にかぶれた学生時代、街頭デモでよくこの『ワルシャワ労働歌』を歌ったものだ。今、それを思い出させるような「暴虐の嵐」が香港で吹き荒れている。
◎国家安全維持法違反の男性に初の判決、９年の長期禁固刑
１年前の香港国家安全維持法の強硬導入で、集会もデモも一切禁止、スターリニスト中国に批判的な論調だった蘋果日報は潰され、頼みの議会は有名無実化させられた。そして今、国家安全維持法に反対して逮捕された者たちに禁固長期刑が降りかかる。
香港の高等法院（高裁、事実上の最終審）は３０日、国家安全維持法の国家分裂煽動罪とテロ活動罪に問われて起訴された男性に、禁固９年の長期刑が言い渡された。
男性は、「光復香港 時代革命」の旗を掲げたバイクを走らせ（写真）、警官隊に突っ込んで警官を怪我をさせて逮捕されていたが、香港では普通であった陪審員参加の裁判ではなく、行政長官の林鄭月娥が任命した翼賛判事の下で長期刑が言い渡された。
国家安全維持法で判決が下されたのは、この男性が最初で、後に７６人の被起訴者がいる。民主活動家の黄之鋒氏や蘋果日報創業者の黎智英氏などの被起訴者に、これから厳刑が言い渡されることになろう。
まさに「暴虐の嵐」が香港に吹き荒れている。
◎スターリニスト中国国歌にブーイング
同日には、金メダルを獲得した香港選手の表彰式をテレビで観ていた男性が、国歌条例違反容疑で逮捕された。国歌条例も昨年６月４日、立法会で親中派による強硬採決されて成立した条例で、スターリニスト中国国歌『義勇軍行進曲』を侮辱する行為を禁じる条例だ。
男性は、フェンシングで優勝した選手の表彰式で『義勇軍行進曲』が流れた際、ブーイングや「We are Hong Kong（私たちは香港だ）」と叫んだりした（下の写真の上）。また男性は、イギリス統治時代の香港の旗（下の写真の下）も掲げていたという。この旗は、スターリニスト中国の香港強権支配に抵抗する人たちが好んで掲げる。
これが、最高刑３年の同条例違反に問われた。
◎暴虐の嵐でも潰されない市民の抵抗
まだ香港にはスターリニスト中国に屈しない人たちが残っていることが分かったのは嬉しいが、そうした「暴虐の嵐」でやがては市民たちは皆、口を噤むことになることを危惧する。
なお学生時代に街頭で歌った『ワルシャワ労働歌』は、聞くと今も血が騒ぐ（
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=waLb4k5tv5A）（写真＝ワルシャワ旧市街市場広場に立つワルシャワの守護神人魚の像）。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202108040000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。
昨年の今日の日記：「香港立法会、民主派躍進予想で、選挙ぶち壊しの暴挙；追記 超小型恐竜はトカゲだった」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976505987&owner_id=1833966
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