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2021年07月31日05:01

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デニーソヴァ洞窟の先住デニーソヴァ人の後にネアンデルタール人が出現、両者は同洞窟で交代して繰り返し居住していたことが遺伝子解析から判明

 シベリア南部アルタイ地方のデニーソヴァ洞窟(下の写真の上)からは、これまで石器の他、10数点の人類化石が見つかっている(下の写真の下=ネアンデルタール人女性の足指)。
 それにはネアンデルタール人の他に、この洞窟で初めて遺伝子で確認されたデニーソヴァ人も含まれる。そして両者の小児個体の化石も混じっているから、この洞窟は古型両人類が互いに棲み合った交錯地帯であったと見られる。

◎ホミニンのミトコンドリアDNA175点
 ただこの両人類が洞窟に現れた順序、そしてホミニン居住期の時代、環境的背景、考古遺物がどの特定ホミニンと関係するかなどは不確かなままだった。
 ドイツマックスプランク進化人類学研究所などの国際研究チームは、イギリスの科学誌『ネイチャー』2021年7月15日号で、この謎に取り組んだ。
 研究者たちは、30万〜2万年前にわたる更新世地層断面から堆積物を系統的に採取し(写真)、728点の堆積物試料についてDNA解析を行った。そこから685点の動物ミトコンドリアDNA試料とホミニンのミトコンドリアDNA175試料が得られた。

◎まず中部旧石器携えたデニーソヴァ人が25万〜17万年前に姿を現す
 北のデニーソヴァ洞窟に最初に現れたホミニンは、中部旧石器インダストリーを備えたデニーソヴァ人で、その年代は約25万〜17万年前だった。その後、ネアンデルタール人も出現するが、それは同時期の終わり頃にかけてだった。
 デニーソヴァ人のミトコンドリアDNAの不在は、気候変動を反映する思われる動物相の変化と一致し、デニーソヴァ洞窟の歴史を通じて、デニーソヴァ人とネアンデルタール人の交代が何度も繰り返されたことも確認された。

◎4.5万年前頃には現生人類が出現
 この交代は、遅くとも4.5万年前頃の堆積物に初めて現生人類のミトコンドリアDNAが検出された草創期上部旧石器の開始の前後まで続いた。
 2012年の調査で、約9万年前に13歳前後で死亡した少女の四肢骨破片が両者のハイブリッド個体だったことが分かっている。このことからも、両古型ホミニンのデニーソヴァ洞窟明け渡しの間隔が時には短く、また両集団が互いに近接して居住していたことを示しているのだろう。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「エチオピア紀行(154):水も電気もない掘っ立て小屋で眠る」https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976465037&owner_id=1833966

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