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2020年11月20日06:16

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「幻の魚」巨大淡水魚イトウ、生息は7河川、数は2000尾ほどか、北海道大グループの環境DNA調査で判明

 イトウというサケ科の淡水魚を知っているだろうか。北海道東部の河川などに棲む淡水魚で、体長1〜1.5メートルにもなる日本最大の淡水魚だ(写真)。かつて捕獲された個体の中では2.1メートルになったものもいる。

◎最大の淡水魚で10数年も生きる
 頭に「幻の魚」と呼ばれるように、今ではめったに見られなくなった。僕は、札幌市豊平川河畔のさけ科学館(写真)で観たことがあるが、野外ではもちろん観たことはない。
 かつては東北地方北部の一部水系でも見られたそうだが、今では絶滅し、北海道でも道東・道北部にしかいない。
 姿も大きいし、味もいいから、昔から釣り師に好んで捕獲された。北海道でも激減したのは、そうした要因もある一方、河川改修やダムの建設などで河川への遡上が妨げられた歴史もあるという。
 イトウが他のサケ科と異なるのは、異例の長寿で10数年も生きる。また降海性だが、性成熟すると、一生のうちに何度も産卵する。
 「幻の魚」だから、生息河川数や生息数などもはっきりしない。

◎検出量の9割は3河川に集中
 このたび、北海道大学大学院農学研究院の荒木仁志教授らの研究グループが2015〜2018年に、道内120河川の環境DNAを調査し(写真)、うち7河川に生息しており、成魚2000尾がいるとの推計結果などを10日までに発表した。
 調査したのは、道内河川の約3分の1に当たる120河川。河川水を採取し、イトウの剥がれた鱗や糞由来の環境DNAを分析した。
 その結果、道内6地域7河川でイトウのDNAが検出された。うち2河川は、これまでイトウの確認例がなく、ここにも少数ながら生息している可能性のあることも分かった。ただ検出量の9割は道東と道北の3河川に集中しており、この3河川は、目視でも生息が確認されている川だ。

◎3河川以外は個体数少ない、絶滅も
 この結果から、3河川以外の4河川は、生息していたとしても個体数は少なく、種の存続は危ぶまれる状況にあることははっきりしている。
 イトウが全道的に絶滅の危機にあることも明らかだ。
 荒木教授は「道東・道北以外は存続が危ぶまれ、重点的な保全が必要だ」と指摘している。イトウが好むのは、起伏が穏やかで流域に湿地やラグーン(潟)のある川だから、そうした住みやすい川の環境を整えていくことが重要だ。

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