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2020年06月07日05:15

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過剰流動性相場で日米の株価が堅調に回復、さてこれからは……

 武漢肺炎パンデミックが収まらず、反差別抗議デモ・暴動に大揺れのアメリカ。なのにニューヨーク株式市場は順調に回復している。アップルやアマゾン、アルファベット(グーグル)の上場するナスダックは、史上最高値まであと少しだ。

◎年初来高値奪回も視野に
 東京市場も負けてはいない。今週も堅調で、月曜日の1日には2万2000円を奪回、金曜日の週末は5日連騰を成し遂げ(週間では985円値上がり)、2万2863円で引けた(チャート図)。
 2万3000円まであと少し、今や3月末には夢物語と思われた1月17日の年初来高値2万4115円の奪回まで視野に入りつつある。
 世の中の武漢肺炎第2波への恐れや景気悪化の諸状況を見れば、とてもまともに信じられない株高である。
 この背景は、5月31日付日記(「株価は予示している? 世界大恐慌の再来はないという先行きへの期待」)でも分析しておいた。

◎過剰流動性のもたらした買い需要
 これに1つ書き加えたいのは、思いがけない株高は、過剰流動性の賜でもあるということだ。
 中央銀行である日銀の総資産は、この3カ月で約50兆円、アメリカに目を転じればFRBは3兆ドル近くも増えた。それだけ民間にキャッシュが流し込まれ、現金がジャブジャブの状態であることだ。さりとてゼロ金利時代だから、債券に資金を投じられない。
 つまりインカムゲイン(配当金収入)とキャピタルゲイン(値上がり益)が期待できる株式しかない。
 つまり現在の株価は、日米ともファンダメンタルズを反映したものではない、ということだ。悪く言えば、バブル、である。
 しかし金融当局も政策当局も、いずれも今は過剰流動性によって必死に景気の落ち込みを支えているところだ。バブル潰しに乗り出すのは、インフレの芽が出始めるもっと先のことになる。
 とすれば、多少の調整を入れつつも、株価は堅調、と期待できる。

◎減配・無配企業が3割も
 さて今3月期決算企業の株主総会招集通知や早いところでは一足先に配当金まで一緒に届いている。
 ところが日経新聞によると、今3月期決算の企業では、3割が減配か無配に転落するという。
 僕は、株式配当やREIT分配金を、郵便貯金に貯めておき、まとまったら再投資している。いわゆる「貯株」である(17年10月22日付日記:「『貯株』の思想=コツコツ買い貯め、決して売らないのが極意、配当金・分配金で再投資の好循環」)。その再投資資金が、細っている。
 減配ならまだしも無配、なんて株式会社なら論外だ。経営を委ねられた株主に、1円も報いない経営者は失格である。

◎神戸製鋼株の失敗に学ぶ
 僕の体験では、無配転落企業は、企業固有の不祥事も含め、何かあると無配になる。今回は、武漢肺炎パンデミックだし、以前はリーマン・ショックで、無配転落企業が続出した。しかし、こうした中でも増配する企業だってある。無配を繰り返す企業は、企業体質に問題があるから、将来性は乏しい。ある程度のところまで戻ったら、損切りが妥当かもしれない。
 6年前、神戸製鋼(写真)が1000億円の公募増資を行った。付き合いのある証券会社の営業マンに誘われ、わずかだが株を引き受けた。鉄鋼会社は、当時から将来性には疑問に思っていたので、手数料と若干のプラスが得られたら売ろうと思っていたが、ズルズルと値を下げ、公募価格割れを起こし、その後、無配に転落した。
 無配なら、持っていても仕方が無い。僕は、損切りに踏み切った。その判断は正しく、今も無配だし、損切り価格から株価はさらに半分になっている。

◎将来性の乏しい企業がゾロゾロ、暴落は見極めのきっかけに
 こうした株は、個人投資家にとってゾンビのようなものだ。捕まったら、なかなか泥沼からも抜け出せない。
 ちなみに今の東京市場を見渡せば、将来性の乏しい企業がゾロゾロしている。デパート、アパレル、鉄鋼、建設、銀行、証券(ネット証券は除く)……。
 こうした業種の会社は、自己革新もできず、市場が細るにまかせ、ただ業況の回復だけを頼りにしている。
 大暴落にある程度の功績を認めるとすれば、以後の回復でゾンビ企業と革新企業の篩い分けのきっかけになることだ。全体の立ち直りに先駆け、革新企業はいち早く株価上昇に転じ、年初来高値から上場来高値をつける。ゾンビ企業は、なかなか回復せず、低位でうろつく。
 こうした企業の株は、ある程度のところまで戻ったら損切りし、以後は近寄らない方が無難である。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202006070000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「退潮著しいドイツ社会民主党、歴史的役割は終えたか」

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