mixiユーザー(id:1833966)

2020年04月11日05:03

99 view

武漢肺炎の給付金1世帯30万円の「絵に描いた餅」

 前に職場にいたフリーランサーが、シラケた表情でニュースを見ていた。
 政府が7日の緊急事態宣言発出と共に決めた緊急事態宣言の世帯給付である。要件を満たす収入減少世帯では、1世帯30万円給付するという策だが、「たぶん使えない」と言う。

◎複雑怪奇、しかも証明書の無い人は……
 実際、新聞などで中身を見ると、誰が設計したのか、現実を無視した要件となっている。例えば対象は、2月〜6月に月収が武漢肺炎発生前に比べて減った住民税非課税世帯か半分以上月収が減った高所得を除く世帯、となっている。
 それは、区市町村役場に自己申告し、前年の収入と該当月の給与明細などを提出する必要がある。今年の分はまだしも、前年の収入の証明書など、用意できる人は限られるだろう。例えば、そもそも収入証明書などないフリーターなどは、初めからオフリミットである。
 郵送でもできるようになったらしいが、役場には申請希望者が殺到し、その審査にも時間がかかる。各区市町村は、受付処理のための予算措置を講じる必要があり、それには臨時議会で補正予算を組まないといけない。

◎給付も遅く、夏以降
 つまりどう見ても、実際に給付されるのは夏以降だ。現実にこれから受け取る収入が減る世帯にとって、家賃を支払うにも事欠くことになる。
 このように複雑怪奇にしたのは、不必要な世帯まで給付する必要が無いという発想なのだろうが、制度を複雑にすればするほど、そこに詐欺のつけいる隙が出来る。例えば収入証明が取れないフリーターなどがアパート・マンションを借りる時に、偽造収入証明を発給してもらうペーパー会社を利用する輩が必ず出てくるだろう。
 これを悪用するのは、ヤクザや生活保護者だろう。しかも家族をバラバラの世帯に分離すれば、莫大な給付金を詐取できる。
 手続きの複雑さのために真に必要な人が利用できず、詐欺漢がほくそ笑む愚劣極まる制度、と言うしかない。

◎どうせ給付ならアメリカのような簡易・迅速策がベター
 これならアメリカのように、社会保障番号に基づき、高額所得者以外に1人1200ドル(17歳以下の子どもには500ドル)の現金を遍く給付する方がよほど優れている。アメリカの給付案では、申請手続きは必要は無い。政府が勝手に対象者の家庭に小切手を郵送してくれる。
 しかも手続き無しだから早く、今月20日頃から各家庭に小切手が届き始めるという。スピード感は日本の比ではない(写真)。

◎財政を大きく痛める
 ちなみに僕は、そもそもこのようなバラマキに反対だ。給付金は天から降ってくるわけではなく、赤字国債発行を財源としている。すると財政悪化は、さらに深刻化する。
 それでなくとも中小企業などへの減税や免除、繰り延べなど大盤振る舞いだ。税収が大幅減になる。消費税10%アップ分の増収など、どこかに吹っ飛んでしまっている。
 このような真に必要な人に配れないバラマキ給付や中小企業などへの大減税でさらに傷んだ財政は、将来世代に大きな負担となってのしかかるだろう。
 天災や疫病など万が一に備えるには、日頃の各人の貯蓄などの自己責任で対処すべきもののはずだ。なんでもお上頼み、政府頼みは、巨大なモラルハザードを生み、健全な社会を蝕む。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202004110000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「キャッシュレス化に向かう今、新紙幣を発行へ、もっと早く登場して欲しかった渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の輝ける明治の偉人たち」
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年04月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930