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2020年02月23日06:13

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冬の星座オリオン座に輝くベテルギウスが超新星爆発する!(前編):星の一生の終わりに近い超巨大恒星

 世界のアマチュア天文家が今、ワクワク待っているものに、冬の星空を代表するオリオン座の肩位置で赤く輝くベテルギウスの超新星爆発である(下の写真の上がオリオン座のベテルギウス=左のオレンジ色の星、下の写真の下は南米チリのVLTで昨年12月に撮影したベテルギウス)。

◎昨年秋から減光したベテルギウス
 明るさが変動する変光星として有名なベテルギウスは、ここ数十年で最も暗くなっていて、かつては1等星に分類される0.5等ほどだったものが、去年秋ごろから急速に暗くなり始め、今では明るさが3分の1程度の1.6等ほどと、2等星に相当する明るさまで減光、過去50年で最も暗くなっている。
 ベテルギウスの減光をいち早く報告したのは、アメリカ、ビラノバ大学の天文学者、エドワード・ギナン教授で、昨年12月に報告した。減光は、その前の10月から始まっていたという。
 ベテルギウスが注目されるのは、超大型であることだ。質量は太陽の20倍もあり、それだけに星の「燃料」である軽い元素の核融合が速やかに進み、それに伴って直径も膨らみ、実に大きさは太陽の約1000倍もある。巨大化して赤くなった「赤色超巨星」で、星の一生の終わりに近い。

◎超新星爆発は明日か、それとも100万年後か
 したがってベテルギウスが超新星爆発するのは、「確実」である。しかしそれがいつかはまだ分からない。研究者によれば、明日かもしれないし、100万年前後かもしれないという。
 また現在の減光が、超新星爆発に直接結びつくわけでもないという。通例の変光の可能性の方が高いようだ。
 しかし太陽の年齢が46億年であることを考えれば、長くても100万年後というのは、指呼の間だということだ。
 それだけに世界中の天文ファンは、心を躍らせているのだ。

◎史上有名な1054年の超新星
 超新星爆発は、稀にしか起きない。例えば今でも有名だが、東大の小柴昌俊氏が岐阜県飛騨市のカミオカンデで世界最初に捕らえたニュートリノは、太陽の属する銀河系とは別の銀河である大マゼラン雲で起きた超新星爆発で放出されたものだった。
 銀河系内で起きた超新星爆発となると、はるかに少ない。記録に残る観測例として有名なのは、日本の平安時代の1054年に出現した超新星だ。この超新星爆発は世界各地で観測され、日本でも藤原定家が日記『明月記』に記録を残している。
 この時の超新星爆発は、地球からの距離が約7000光年の遠くであった。それでも、出現時は金星くらいの明るさになり、23日間は昼間でも見えたという。
 現在、その残骸は「かに星雲」(写真)として有名で、その中心には超新星爆発で残された中性子星「かにパルサー」が残る。

◎最後に見られた銀河系内超新星は400年前
 それ以後の、すなわち人類が最後に見た銀河系内での超新星は、「SN1604」(SNはsupernovaの略で、数字は観測年)である。この超新星は、別名「ケプラーの超新星」とも呼ばれ、ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーが1604年10月17日にこの超新星を見つけ、詳しく観測、研究した(写真=SN1604の残骸)。
 約400年前に現れたこの超新星は、最大光度でマイナス2.5等級に達し、夜空で金星を除く、他のすべての惑星・恒星よりも明るくなったという。それでいて、地球からの距離は約2万光年も離れていたのだ。

◎夜空に月が2つ?
 では、もしベテルギウスが超新星爆発した場合、どれだけの明るさになるのか。
 質量が太陽の20倍という大きさと地球からの距離の近さ(約650光年)から、1054年の超新星よりもはるかに明るく、半月に相当するマイナス10等級ほどになるという。その時は夜空に、月が2つ見えるかもしれない。
 少しずつ減光していくが、それでも約100日間輝くだろうと考えられる。
 人類が記録を残すようになって以来、初めての、類を見ない夜空のページェント、天文ショーになる。
 それが予知できるかもしれないという。
(この項続く)

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202002230000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:ネパール旅行のため休載

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