mixiユーザー(id:1833966)

2020年01月21日05:27

70 view

日本郵政グループ、先祖返りの官僚出身経営者が就任:何と夢と希望のないトップであることか

 日本郵政グループの本体と子会社の日本郵便、かんぽ生命の社長3人が交代した。
 新社長に就任したのは、本体の郵政が増田寛也氏、郵便の衣川和秀氏、かんぽ生命が千田哲也氏で、いずれも霞ヶ関の官僚出身である(写真=中央が日本郵政の増田新社長、左が日本郵便の衣川新社長、右がかんぽ生命の千田新社長)。

◎抱負を語らない新社長たち
 増田氏は旧建設省、衣川・千田両氏は旧郵政省の出身だ。かつて盛り上がった郵政民営化の熱気がこれほど冷め、官僚出身者に牛耳られようとは、幻滅の一語に尽きる。
 かんぽ生命の不正は、確かに問題だが、就任の記者会見で、増田氏も当事者の千田氏も、お詫びと被害者救済、再出発の決意を披露するだけで、民間上場企業の会社としてのこれからの抱負を全く語らなかった。
 かつての郵政省内の現業として、「日々是好日」としてやっていればいい、という感じだ(写真=日本郵政グループの入る大手町プレイス)。

◎お役所的会社に先祖返り
 非上場の会社、あるいは公社なら、それでもいいだろうが、日本郵政とかんぽ生命はれっきとした上場企業である。会社を持っているのは株主で、社長など株主から経営を委託されているだけの存在だ。念のために言っておくと、日本郵政は62万1963人(政府の財務大臣を含む)の株主がいる。
 就任記者会見の模様をテレビで見て、この人たちにはその意識が全くないのではないか、としか思えなかった。
 やりきれない思いをしているのは、株式売り出しに応じて株を買った多くの一般株主だろうし、それを販売した証券会社であろう。
 こんな「お役所会社」に先祖返りするなら、株を公開価格で買い戻して欲しい、というのが、多くの株主の偽らざる心境だろう。

◎高値で売って株主に全員含み損、これって国家詐欺?
 ゆうちょ銀行を含め、上場3社はすべて売り出し価格を割っている(日本郵政の場合は、第2次売り出し価格も)。すなわち売り出しに応じた株主は全員が含み損なのだ。
 いくら配当利回りが3%余あるからと言って、大幅含み損であれば、ならして損失である。しかも業績の劇的回復を図る夢さえ語られない。それなら株式市場では全く評価されないから、上昇して売り出し価格を回復する展望すら持てないことになる。
 これは、国家詐欺に近い。このことは、昨年11月18日付日記:「決して買ってはいけない政府保有株売り出し、日本郵政株とNTT株の教訓」でも述べた。

◎「国会に怒られに行く」のが日本郵政社長の仕事?
 経営者の人材も枯渇している。お役所的会社体質を変えていくには、民間で揉まれ、優れた経営感覚を研ぎ澄ました経営者が必要なのに、今回のように「官僚あがり」である。
 退任した前社長の長門正貢氏は、何かあると国会に呼び出され、「今日もこれから国会に怒られに行く」とぼやいていたそうだが、まともな民間出身経営者は乞われても日本郵政グループの社長などならないだろう。
 なりたいのは、今回のような元官僚と勲章ほしさの三流経営者だろう。
 それでなくとも、かんぽ生命とゆうちょ銀行は、人口減とネット化社会の進展で将来性は乏しい。むしろこれから徐々に利益の源泉が削られていく。日本郵便は、電子メールとインターネットで、郵便事業は細る一方になる。

◎将来性のない会社の株とはおさらばを
 するとかんぽ生命とゆうちょ銀行2社からの配当頼みに近い日本郵政も、将来性は暗い。配当も、現行の水準を維持できるか不透明と言わざるを得ない。
 下手をすると近い将来、無配転落もあり得る。
 証券会社から高配当だからと勧められて、上場3社の株を持ってしまった人は、時期を見ておさらばした方がよいのではないか。

注 GREEによる容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202001210000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「樺太紀行(30);ブッセ湖湖畔のワイルドフラワー大群落に分け入って」

4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年01月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031