さながら６１年前の東大安田砦の攻防戦か、それよりもっと悲劇的な結果を生んだ３０年前の天安門の再現のようだ。
◎騙して外に出し、無差別逮捕の卑劣さ
香港中心部にある香港理工大学で１６日夜から、大学内の建物に立てこもる学生と武装警官との激しい衝突は、いつ学生側に死者が出るか分からない状況になっている。
警察は、火炎瓶や弓などの武器の使用をやめなければ実弾を使う、と警告する一方、１７日からキャンパスを装甲車や放水車で包囲した（写真）。
それでいて指示に従ってキャンパスの外に出てくる医療ボランティアをも相次いで逮捕した。学内に立てこもる学生たちからは、ＳＮＳで「自由がなくなるなら死んだ方がましだ」、「死を恐れない」と悲痛なメッセージが飛び交う。
◎籠城学生６００人が投降、４００人逮捕
香港当局は、「一刻も早く学外に出よ」と呼びかけるが、上記のように出れば逮捕される。実際、立てこもる学生たちは何度も大学からの脱出を試みたが、警察に阻止されている。学内では、多数の負傷者が出ている模様だ。
１８日夜以降、中学や高校の校長や立法会（議会）の前主席（議長）らが調停に入っており、１９日午前までに約６００人の学生が投降の呼びかけに応じた。
投降した１８歳以上の学生たち４００人は逮捕される一方（写真）、このうち１８歳以下の中高生約２００人は個人情報を供述させられたうえで帰宅を許された。
また一部はロープを伝って脱出し、逮捕を免れた。
だが、まだ１００人ほどの学生が学内にとどまっており、徹底抗戦する構えを崩していない。
◎香港警察トップに対民主派強硬派
警察は声明で、学生グループを「暴動者」と非難している。香港では暴動罪が適用されると、重い禁錮刑が科される。
学生たちには、死か重罪かしかない。
しかも１９日には、香港警察トップの警務処長が更迭され、副処長の強硬派・��炳強が昇格する人事が発表された。デモ隊への取り締まりが今後、さらに強まり、香港の自由と民主主義は死に直面している。
◎今日（１９日）にも香港人権法案が上院可決へ
緊迫化する香港情勢で、香港市民から渇望されるアメリカの香港人権・民主主義法案がアメリカ時間の今日１９日にも、上院で可決された見込みだ（写真＝星条旗を振って香港人権法案の成立を待望するデモ隊員）。
下院はすでに１５日に全会一致（！）で可決している。
トランプ大統領が署名すれば、成立する。
この法律は、香港に高度の自治を認めた「一国二制度」が守られているかどうか毎年検証することを国務省に義務付ける。守られていないと判断されれば、香港に付与されている関税やビザ発給などアメリカが香港に認めている特権を剥奪できる仕組みだ。
これは、弾圧者への大きな圧力、抵抗する香港市民への大きな激励となる（写真＝香港人権法案の成立を待つ香港市民）。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記：「ＡＰＥＣ、初めての首脳宣言無しで閉幕は、１０月４日のペンス副大統領講演の体現」
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