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2019年08月26日04:57

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独裁カンボジアの農村ではびこるマイクロファイナンスの過剰融資地獄

 過ぎたるは及ばざるが如し――一時はアジアの貧困を救う救世主ともてはやされたマイクロファイナンス。その先がけとされたバングラデシュのグラミン銀行は、2006年のノーベル平和賞も受賞した。

◎国民の16%がマイクロファイナンスの過剰融資で苦しむ
 ところが、独裁が強まるカンボジアで、今や乱立するマイクロファイナンス会社の過剰融資によって、かつての日本のサラ金地獄並みの悲劇が多発しているという(写真)。
 カンボジアの複数の人権団体のまとめた報告書によると、約240万人ものカンボジア国民が、過大な貸し付けとそれによる債務を抱え、所有農地の強制的売却、国外への出稼ぎ、児童労働を強いられ、困窮に見舞われている。
 カンボジアの人口は、1500万人余りだから、実に16%ほどが過剰債務に喘いでいることになる。
 しかも債務額は半端ではない。1人当たりの平均債務は、約3370ドル(約35万円)である。

◎文字も読めない人を騙す
 なんだ、たった35万円か、などと言ってはいけない。日本人の目からははした金だろうが、同国の1人当たりGDPの2倍以上に相当するのだ。つまりカンボジアのマイクロファイナンス債務者は、飲まず食わずで返済しても、2年以上もかかる「巨費」なのだ。
 しかも債務者の中には、文字の読み書きのできない人も多い。カンボジアのポル・ポト派支配下で育った子どもたちは、その頃、学校教育を受けられなかった。
 訳が分からず、近隣の連帯保証人になり、勝手に拇印を押させられて債務者になった人もいるという。

◎かつての日本のサラ金地獄の再現
 債務者が増える一方、マイクロファイナンス会社各社は、一頃の日本のサラ金大手の武富士のようにかつてない好決算を出している。
 それは、マイクロファイナンスがかなりの高金利であるからだ。年利7〜8%と、銀行よりもむろん高い。
 返済のため娘3人が出稼ぎに出て、孫を育てるある老婆は、「こんなことなら貧しいままの方がよかった」と嘆いている。
 カンボジアの国そのものが、親中国派のフン・セン独裁政権の下、スターリニスト中国からの「援助」というサラ金融資で身動きできなくなっている。
 国も国民も、借金まみれ。
 貧困国の前途は明るくはない。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201908260000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「木曽駒ヶ岳登頂記(5):強烈な太陽の照りつける中、乗越越土に到達」
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