日本に、お金持ちはどれだけいるかご存じだろうか？
野村総合研究所が去る１２月、日本の富裕層に関する調査結果を発表した。それによると、１億円以上５億円未満の純金融資産を持つ「富裕層」は１１８万３０００世帯、５億円以上を保有する「超富裕層」は８万４０００世帯にのぼるという（２０１７年現在）。両方合わせたお金持ちは、１２６万００００世帯で、合計保有額は２９９兆円だった。
◎月給取りは無理
各種統計などからの推計だが、１００万世帯もいることにはちょっとびっくりした。何しろ日本は、世界でも稀に見る「平等国家」だからだ（この平等には「悪平等」も含まれ、決して「公平」だとは言えない）。
おそらく「富裕層」は、ほとんどが経営者、都市農家、医者だろう。サラリーパースンは、いたとしても割合は小さいはずだ。
日本ではサラリーパースンは、富裕層になるのはとうてい無理だ。日本の税制は、サラリーパースンに過酷で、所得捕捉率ほぼ１００％のうえ、累進課税で高所得サラリーパースンから税金を召し上げるからだ。
◎累進課税を免れている３カテゴリー
それに比べ、前掲の３カテゴリー層は、累進課税のターゲットから免れているケースが多い。
経営者の中には、サラリーマン経営者もいるが、創業者かその子などは、給与以外に金融所得が多い。金融所得は、基本的に源泉分離課税で、約２０％の納税で終了する
都市農家は、広大な地所に賃貸不動産を建て、そこから多くの収益を得ている。個人で収益を得ないで、法人を作ってそこに賃貸収入を入れれば、累進課税を免れる。
医師は、勤務医なら累進課税だが、開業医は様々な税制上の恩典があるうえ、所得補足率は低い。特に保険医でない産婦人科医や眼科医は、脱税のワースト１０に挙げられる業種だ。
◎金融所得で権力の座に就いた民主党の鳩山由紀夫
大企業の創業者は、その中でも群を抜く。所有株の含み益はもとより、フローでも株式配当金は、約２０％の源泉分離課税で納税は完結する。例えばソフトバンクの孫正義氏、ファーストリテイリングの柳井正氏はなどは、役員報酬をはるかに上回る配当金収入がある。サラリーマン経営者に過ぎなかったカルロス・ゴーン氏が役員報酬にこだわった理由が分かる。
古くは、創業者ではなかったが、その末裔に連なる民主党の黒バトこと鳩山由紀夫は、金融所得の金の力で権力の座をつかんだ。
鳩山由紀夫の実母の鳩山安子は生前にブリヂストンの株を１６００万株（所有者別ランキングで第７位）を保有していて、ここから年間３億円以上の配当を得て（今は１株当たりの配当金は増えているから、今なら数十億円に達する）、鳩山由紀夫に資金援助していた（写真）。なお鳩山安子は、ブリヂストン創業者・石橋正二郎の長女であった。
◎辺野古移設を混乱させた元凶
黒バトは、母親から湯水のように政治資金をもらい、その金で旧民主党を創設し、新民主党のオーナーとして力を振るった。
政治的センスも力量も無く、金の力だけで首相職まで上り詰めた男だ。政治的センスもない証拠に、２００９年の総選挙で民主党が大勝し、首相になった折、普天間基地の辺野古移設に反対し、何の成算もなく「最低でも県外へ移転」と放言し、せっかく辺野古移設に固まっていた沖縄県民の期待感だけ高め、あげくに自民党政権時代にすべて潰れた移設先を迷走したあげく、「やはり辺野古しかありません」と元に戻り、それが今日の沖縄県の辺野古移設妨害行動になって現れている。
◎年１００億円の金融所得のある孫正義氏
今も鳩山由紀夫は、母親と祖父から受け継いだブリヂストン株を多数保有しているはずだ。そこから得る配当金で、今もスターリニスト中国や韓国に行って好き勝手な方言を繰り返している。
なお他人の財布の中身をうかがうようで気が引けるが、手元の会社四季報を見るとも孫正義氏はソフトバンクグループ（ＳＢＧ）株を２億３１２０万株も保有している。１株配当は１８年３月期で４４円だったから、これだけで１０２億円近い配当所得がある。うち課税される２０％強を差し引いても８０億円近い。
孫氏の役員報酬は知らないが、はるかに上回ることは間違いない。
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昨年の今日の日記：ニュージーランド、ミルフォード・トラックのトレッキング行きのために休載
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