mixiユーザー(id:18297560)
2017年08月26日22:57
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テラークの1812年とはなんだったのか ��
テラークの1812年と聞いて、
「ああ、あれね」
とピンとくる人は古くからのオーディオマニアだ。もちろんチャイコフスキーの「大序曲 1812年」の事である。その曲をテラークというレコード会社が当時最新のデジタル録音機器で収録し、一枚のレコードにした。と、そのすさまじさに世界中のオーディオマニアが蜂の巣をつついたような騒ぎになった。1978年の事である。
それまで見たこともないようなすさまじい溝。まるで地震計の波形のようでもある。レコードには実際の大砲の音が刻まれているのだが、この大砲のレベルが異常に高く、針飛びがする、アームが跳ね飛ばされる、さらには針が無くなる（接合部から取れてしまう）なんて事が各地で多発。
この大砲の溝をいかにトレースするか、がマニアの腕の見せ所となった。
先日、某サイトでたまたまこのレコードの話題となり、あらためてじっくり調べてみた。それまでも、トレース出来ているように聴こえても、実際は一瞬音が無くなっていることはわかっていたから、波形を見ても驚くことはなかった。
これがLPを再生したときの波形。信号が一瞬途切れているのがわかる。これは横っ飛びのような溝に針が差し掛かると、針はその横っ飛びに追いつけず、溝を乗り上げて無音部分をトレースした後に元の溝に戻るからである。
その溝の拡大写真が以下になる。
ハイコンプライアンスのカートリッジなら再生できる、と思う人もいるかもしれないが、理数系のエキスパートであるRさんが先の某サイトでこのように書いてくれた。
「ピックアップアームの回転中心と針先を結ぶ直線に対して、溝の角度が４５度に達すると溝に沿う分力と、４５−４５方式のステレオの溝の盤面に対する角度４５度方向の分力が等しくなるので、針先は溝の斜面をのし上がってしまうでしょう。」
拡大写真で見る限り、この部分は45度と同じかそれ以上に見える。であるから、どんなカートリッジを持ってきてもトレース不可能な溝なのである。
このレコードが世に出た後、かなりの時間が経ってからテラークのスタッフ（多分ロバート・ウッズかジャック・レナー）が、「あれ（1812年のレコードの事）はやりすぎだった」と後述している。
私もよく知らないのだが、レコードのカッティングにはいろいろ規定があって、ある程度以上の振幅を刻んではいけないのである。テラークはそれを無視してカッティングしてしまったノダ。
そのあたりについて詳しくないオーディオマニアは、「これがトレースできなきゃマニアの恥！」とばかりに躍起になって取り組んだのだ。で、冒頭の写真のように同じものを3枚も買い込む羽目になるのだ。買ったのは無論私である。
その後、CD時代となりこの名盤（迷盤？瞑盤？）はCD化された。これでトレース問題はなくなった・・・のだがこいつを調べてみると、そんなアホなという結果が出たのである！
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