第十三話「佐世保の夜(その1)」
承前
ホテルを出てたぬきを拾いに向かう途中、もっちーは、バスセンターに寄ろうと言いました。
実は、博多の時点でもっちーから話は聞いていたのですが、彼は現役時代、横須賀から佐世保に行く時は、博多空港で降りて博多のバスセンターから佐世保のバスセンターに来ていたんだそうです。
安い上に時間は大して違わなかったとか(笑)。
と云うわけで、佐世保バスセンターに立ち寄ります。
も:「そうそう、ここなんですよ。ほら、博多行きのバスがあるでしょ」
もっちーは懐かしそうでした(笑)。
土産物屋があったので覗いてみます。う〜ん、正直あまりそそる物はありませんねえ(苦笑)。
も:「佐世保はカステラぐらいですかね。あと佐世保独楽という変わった独楽がありますけど」
うんまあ、独楽は食えないからいいや(爆)。
ひやかしはその辺にしてワシントンホテルに向かいます。たぬきは、もう待っていました。
も:「じゃあ、その辺でタクシーを拾いましょう」
そんな簡単に来るかなと思っていたら来た来た(笑)。すぐに止めて「近いんですみませんが、『ささいずみ』までお願いします」と頼みました。
運転手さんも心得たもので、狭い道を通るなあと思っていたら店の入口に横付けでした(笑)。
はい、今夜の晩酌は佐世保の「ささいずみ」です。
もっちー曰く「ここのイカは絶対食べて貰わなきゃ」ということで、イカだけは予約してキープして貰っていたのでした。
テーブルにつき乾杯します。
モグラともっちーは生中だったと思いますが、たぬきは竹鶴の水割りだったかも。
まあ、たぬきとは品川以来の乾杯です。
すぐに突き出し三種が来ました。
イカ刺しは予約してあるのでシメ鯖と馬刺しを追加しましたが、結局イカは一番最後に登場しました。見た目も含めて堂々たる大物ぶりです(笑)。
三匹が飲んでいると、後ろの席で大きな拍手が巻き起こりました。佐世保の人達は盛り上がっているようです(笑)。
我々も負けてはいられません(笑)。
もっちーは、馬刺しに添えられていた白い部分を摘みます。お店の人によると「たてがみ」という部分だそうでした。
も:「あ、これ美味い」
本来ならここでモグラも箸を伸ばす所なのですが、残念ながらモグラは肉の脂身の部分が苦手なのです。それは、たぬきともっちーで処分して下さい(笑)。
因みに佐世保の(というか多分九州全般の)醤油は甘口なので、たぬきともっちーにはイマイチのようでした。モグラは平気でしたが。
も:「イカ刺しの残りは天麩羅にして貰えますからね。これがまた美味いんですよ」
と天麩羅を頼んだ所で、たぬきが突然「みるくぜんざい下さい」と。
あれ、もう店仕舞い(笑)?
いやまあ、たぬきの胃袋はともかく、宴はもう少し続くのでした。
続く
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