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2020年06月21日02:05

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天下御免のふたり

何事も、軌道に乗るまではなかなか難しい。
仕事、人間関係、趣味、そして恋も。


T兄と正式におつきあいするようになったはいいが、生半可なテレパスを使うストレスフルなかれはしばしば難題をなげかけてくるし、扱いに手間取る。
向こうも同じだろう。
こんな精神障害持ってるあははで子どもみたいな、そして優等生のあばずれなんて。通常理解不可能が関の山だが、T兄一人だけが猛然と食らいついてきて今がある。
壮絶な外科手術も度重なった。
かれは私の男友達を10人も駆逐した。私の穢さを徹底的に追求した。
ハイスペック。男らしくて熱くて暑苦しくて胸と腕の厚い、極度の恥ずかしがり屋でフランクでさびしがりやで面白くて勇敢でこわがりでひどいやきもちやきで誰より優しい、
困ったどヤンキーの恋人は。


割れ鍋に閉じ蓋?なんてつまらないイヤな言葉。


私はT兄といる時プリンセスみたいな気持ちになれるし、T兄を王子さま、王さまとして思い扱い、時に悪友で、好敵手で、兄と妹で、親子で、動物同士で、上長と兵隊で、女王さまと部下で、親友で、秘書で、参謀で、ベースは恋人という感じ。
T兄は私の在り方や考え方を改め高める。
そして私も臆することなくそうする。
それはしばしば深刻な会議になるが、短気ではあっても単細胞ではないかれの意見は率直で的を得ている。そしてかれの根本的な誤りを、私は容赦なく炎のように追及する。
そしてひっくり返るほど可愛がりあう。


ドイツのことわざにあったね。「馬を盗む仲」。
一晩中のマジなおふざけもできるけど熱く愛し合うこともできる恋人のことを言う。


これが割れ鍋に閉じ蓋?私はそうは思えないなあ。ミスター・ハイスペック、私はあなたに相応しいインテリアになりたいのよ。マスコットに。命をこめてね。
映画はほとんど観たことないと言うT兄だけど、一緒に観てみたいのを少々思いつく。


『トゥルー・ロマンス』
『ダンス・ウィズ・ウルブス』
『私がウォーショースキー』
『アメリ』
『ドアーズ』
『プリンセスと魔法のキス』
などなど。


ドアーズの、ジム・モリソンの恋人パメラの、メンバー紹介のシーン憶えてる?
「誰々、ギター」「誰々、ベース」とやってって最後にパメラ、
「パメラ・カーソン、付属品」。


愛する上のほうの上長たちを想う。ひそかに私を認め可愛がってくれてるあの、働き者のゆたかな、笑顔と心の美しいゆかいなひとたちを。
私の障害を、その少数のひとたちだけが把握してくれてる。
そして、私は一緒にやってるベテランはほとんど軽視するようになった。
怠慢でずるく無駄話ばかりで。それでも見習うべきところは見習うが、基本姿勢は却下。
敬愛する上長たちと残れる時は、仕事を残してとっとと帰るくだらない先輩が私が仕事をすると目くじらを立てるのをその時ばかりは気にせず、いくらでも上長たちのサポートのお仕事をなんでもする。庶務に力仕事。片付けに雑用。そして笑う。上長たちは、笑って言ってくれる。「ありがとう」と。彼女かれらは、何も言わずにそういうとっとと帰る職員たちの穴を埋め、家に帰ってからも家の仕事をするのだ。彼女彼らたちに雑用なんかやらせるものか。
S総括はそれをやりすぎて亡くなった。殺されたのだ。
私は決して許しはしない。そんなくだらないシステムは。
先輩方、兵隊ここに一人いますんで。使ってよ、オッケー。コーヒー飲む?


私は気づいた。
なぜ気難しいT兄に恋したのか。
かれはかつて社長をやっていた経験もあるし、私同様壊れたけれど家庭経験もある。
つまりはたくさんの経験があって、たくさん知っていて、たくさんうれしいこともあって、でも出逢った頃は深く絶望していた。
私が最後の頼みみたいに、車で3時間もかけて毎回やってきた。
そして明らかになっていく。
かれがかつて、たくさんの人を愛し面倒を見、守っていたことを。
それができていたことを。
でも失い、自棄を起こしていることを。


私は兵隊でいるのが好き。気楽で。オフには草花やねこや空を愛し、音楽に合わせて歌い踊り、好きな言葉を書き記す。そしてワインでほろ酔いになって笑う。泣きじゃくる。
それが私の病だと、精神科医の宮里先生は笑った。それでいいんですよと。
ただあなたがとても苦しいのは知っていますよ、プロだからと。


私は兵隊でいたい。
愛する上長たちを守って立って戦いたい。
しかし、気位の高い私は生半可な先輩なんかにはクビ覚悟で嚙みつく。すごくね。殺すイキオイ。
それこそコブラのように。狂った獣のように。相手はすっこむ。
たりめーだろ、警察沙汰上等だった私なんだから。お前なんか怖くねえよ阿呆。


T兄は、話した100人の男たちの中のトップだ。
東大の教授やってるストーカー馬鹿なんかより、エロい社長より、くだらないどんな男もかすんでしまう。
白く透明に輝くただ一羽の鷹だ。
私は高きものに仕えたい。
そういう生まれ。


ね、S総括。私のアメノウズメノミコトよ、I総括に今度お墓の場所を訊くわ。
あの時の薔薇を憶えてますか?お棺だった。間に合わなかった。私は泣くことも出来ず、
一人帰って、何か月も泣き続けた。貴女に帰って来て欲しくて。いと高きあなたに。
優しい私の初めてのおかーに。


泣いてることがいやで、チャットを始めて、くだらない話を重ねて、会ったりもして、
そして友達も出来たけど、それは友達なのかというそもそもの問いを携えて、最後にT兄がやってきた。遠くから、泣かずにこころで泣きながら飛んで来た。なぜだった?
なぜあの日あなただけに逢いたいと思った?
なぜあなたは万難を排して飛んで来た?
なぜ私はあなたにだけは私の宝ものの、私の描いたすべての絵と、私の出版した本を預けようと思った?


おずおずと、ケンカしながら。
ケンカしては笑って。
さくは「お前らの喧嘩なんか、ただの痴話喧嘩」と一蹴して笑った。
さくはT兄のために去った。去らせた。さくが私を好きなのは知ってたけど、さくは勇気がなかった。私が気楽な友達であることを望んだ。私はそうだったし、ほんとうの弟のように思って、日々の放課後話は続いたけれど、T兄はどうしても許さなかった。
連絡先を消して、私は何度も泣いた。友達が行ってしまう。私の弟が行ってしまう。


でも、放課後はいつかは卒業するものだ。
ほんとうに心決めたことがあるなら、片手だけでつかんでいてはいけない。
恋も友情も、というのが許されないなら。私は二つの心臓の一つを握りつぶした。
T兄は、そのケンカで私が一度は返したお守りの、3のペンダントをひょいと返した。まったく、偉そうに!でも、恥ずかしそうね。


/金曜は大雨で、T兄の現場のチームは閉じた。
その休みを利用して、T兄は新車の車庫証明とマイナンバーカードの申請に奔走した。
銚子から神奈川の奥地へ。私は3時間上がりの日。
腕が壊れるほど速く動かし続け、お客さんの建物の管理課長さんのお仕事依頼も受けてKBBAに申し送りをし、ゴム手袋を二つ洗って干し、KBBAに「今日は用事があって早く帰らなければならないので、閉めはできないのでお願いします」といつも私がやっていることを頼み、瞬く間に現場を出た。金曜なので職場のねこたちにえさを倍あげて、傘をさして現場を出て走った。


T兄に逢いに。
人生の一大事なら、走る。


LINEで、T兄は「急がないで」と優しく言ってくれたけど、私は知ってた。
いつかモーニングコールしたの時T兄は銚子で、早朝寝ぼけて本音を言った。
「イオ。きて」
だから走った。


電車ではオペラを聴いてた。
どうか。
はやりがちな私の心よ。ほんとうは泣いてる優しい恋人のために、美しく優しくなって、と。
なぐさめてあげたいから。
待っててね。今行く。


車屋さんやら警察やらなんやらと手続きを始めていたT兄は、神奈川の奥地へ赴くと、
駅前のコンビニの駐車場で待っていた。
いつもの。


いつも。


初めて逢うようだ。
私たちは。
いつも命がけの戦士みたいな喧嘩をして、それでもあとになって恋しくてたまらずに、つい本音を吐いて。
そしてお互いに走って。
そして逢うと。


このひとは誰だったろう。
かれは日に日に美しさを増していく。
私の姿は日に日に変わってゆく。
私はもう決めたから、誰も声をかけないで。私は花を見てるのよ、空を、ねこを。そしてあのひとだけを見てるのだから。


書類は量も煩雑さも超絶で、昔取った事務の杵柄が役には立ったが(T兄はものすごく字がキレイで記入も捺印も速いが、確認ということをしない病なので書類が反故になったり散らかったり。私はサポートしていて数回キレた)、何事にもそうやって時間がかかるのは?


あなたは自分一人でやろうとしている。
ひとを信用するのがもうこわいから。
あるいは初めから。
私に事務手続きの補助をかなりさせてくれたのは奇跡と言える。
「俺は友達なんかいない」


ばか兄。あなたがいま食べたお弁当のそのお米のつぶを、あなたが作れるとでも言うの?
ばかなことを言うんじゃない。あなたは一人ぽっちではない。私がいるし、あなたの職場のみんなはみんなあなたを慕ってる。あなたも可愛がっている。友達もみんな。
なのに大きめだけどくだらない過去の出来事にこだわって、人なんか信じないと明言してつっぱって。
たいがいにしなさい。いつまでつっぱってるの。
私たちはもう50よ。とても若いけれど、もう時間はあまりないのよ。
私の目を見て。


夕ご飯は、焼肉に連れて行ってくれた。
私はアンダルサイト石のように、かれといるとあらゆる面が出てしまう。抑えられない。T兄は驚くべきことに、それも受け入れ始めている。普通の場合、誰も無理だった。


焼肉屋さんで、私は10時ごろ、美味しくって楽しくってへとへとでもあったので、いつも眠ってしまうその時間にボックス席で爆睡してしまった。
目を覚ます。
あなたが笑っている。私をからかってる。ああ、いいわ、からかいなさい、好きなひと。


今朝、その超絶の「休日」のそのあと職場に5時間近くかけて帰る途中、家まで送ってもらいながら(実質休みなんかほぼないのだ。T兄の社長。マジ爆発しちゃえよ)、私は生意気にたてついた。でも、冷静だった。
また蝶々のように訪れる、別れの予感。
また巌のように支配する、動じない心。
あなたはだって、私はだって、もうお互いの宝をあきらめられるわけがないの。


傷つきやすいT兄。泣かないで。見える。心が泣き始めている。無表情の奥で。
もうすぐ行ってしまうクラウンちゃんのダッシュボードの中に、描いた薔薇の絵を捧げた。


でも、助手席で、私は、峰不二子式にした。
マジすぎるかれを躱し、笑わせ、とびきりの可愛い艶話を面白おかしく披露した。
そんな泣いた心で現場に入ったらけがをする。だめよ。そんなんでは行かせられない。
私だって一日中また泣くの?いやよ。
笑おう、こんないいお天気。


家の前で私を降ろした後LINEで、私の投げたアンダルサイトの石はT兄の可愛い音声で返ってきた。
私たちは笑い、私はかれに無茶な労働を強いる社長とそのいいかげんさに呆れてアドバイスした。
「くだんない奴は俺はシカトってT兄私に教えたでしょう。くだんないやんちゃ社長なんか。何あれあの言葉づかいと態度。上に立つべき人間じゃない。シカトよ。
その上の会社の偉い人に言えってやんちゃが言うなら、その通りにするのよ。
そして、仕事に遅れた理由に嘘は一切つかず、素直に平常にそのまま言ってみて。いつも通りのあなたで。
通じるよ。多分あなたの願いがかなう。私はそうしてきたわ。
あと、今日は友引。いいご縁があるけど、悪いご縁には目も耳も貸さないで。引っ張られる。いま大光に言われた」


かくして、T兄は社長より偉い上の会社の人になんなくOKをもらい、のんびり寮でお昼寝できることに。
正直者はしあわせになる。


『海賊と呼ばれた男』のマンガをコンビニで見つけて買って読んだ。天国のS総括が男だったら、こんなかな?
こんな厳しくはないけど、思った。正しさ美しさは、彼女は同じ。
彼女を想い、私は泣いた。教わったすべて。可愛がってくれたあらゆるシーン。
総括。これでいいですよね?そこから色々見えてるでしょうけど。


読み終えて、ほかの私の本と合わせてヤマトで送った。
ワインを飲み、ダンスをし、最後の百合のつぼみが咲くのを見ている。
「最後のつぼみの花は、一番美しいという」(ムーラン)


T兄のことは気に入ったようだが生活のあらゆる面でワガママになり始めたわからずやの母には子どものように、子どもだから、たてついた。
ねえ。一日中見てるそのテレビって面白い?何怠慢してるのよ。あなたはあまりに弱いよね、弟が言ってたように。血縁のおかー。私のほんとうのおかーは天国のS総括だ。
なめんな。いい加減にしろ。本当にいい加減にしろ。
もうこれ以上心配も世話もしない。好きにして、あなたの人生を。バイバイ。私踊るわ。
あとママ、ピアノひどすぎ。教えても教えても意味なかった。これからは私はあのカワイのグランドちゃんをたまに可愛がるけど、かまわないわよね?あの子泣いてるわ。あなたのひどい扱いに。
私に何もかも、勉学も音楽も望み、その本人である私を理解をしようとしなかった。学びもせず。可愛くてそれなりで、怠慢に子供たちに自分の精神の世話を任せ続けた。


文句?
一切の文句をやめるわ。人は人。思い通りになんてしないし。そして私もならないわ。
「舌をひっこめろ」。いつも念じる。
そしてその代わり、私の目は滂沱の涙を流し続ける。作業中も家でも。


大光。今日も思う。
今日死んでもいい、今日そして、今日また生まれることができた。不思議なあなたのパワーで。お願い、T兄も今日無事に。明日も。
T兄の地元の駅に行く線路の脇に、愛する昼顔の朱鷺色の花が咲いていた。
浮気の象徴みたいな花言葉もあるけど、もうひとつの花言葉がある。


絆。




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