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2020年10月26日22:20

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間違いだらけのひどい記事

医療機関で薬剤師をしております。どこから訂正したらよいか迷うほどの記事です。

・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の中でもかなり効果が強い
ロキソニンの鎮痛剤としての位置づけですが、ボルタレン(ジクロフェナク)やポンタール(メフェナム酸)よりは弱いが、セレコックス(セレコキシブ)やハイペン(エトドラク)よりは強いという認識が一般的だと思われます。かなり効果が強いは言い過ぎです。

・効果が強いものというのは、その分副作用も起きやすい
ロキソニンで起こりうる副作用を頻度を考えず片っ端から並べています。
我々がロキソニンの副作用で特に注意しているのは「胃腸の障害」と「腎臓の障害」であり、その2つにしても短期間で症状が出ることは稀です。
それ以外はアレルギーによるものと頻度がかなり低いもので過剰に恐れる必要はありません。

・消化器症状の副作用を打ち消すために、ロキソプロフェンを処方する時は胃粘膜保護などの効果を持つ胃薬が処方されます。
10年ほど前の話です。胃粘膜を保護する薬は副作用を抑える効き目があまりないことがわかり、現在は胃酸の量を減らす薬を使うのが主流です。

・湿布で胃があれたり、穴が開いたりするか
ロキソニンを1錠飲んだ時の血液の中の薬の量を、湿布でまかなうと何枚必要かご存知でしょうか。「錠剤1錠=湿布9-10枚同時」または「1錠=2枚を6-7日間毎日貼り換え」です。(血中濃度と成分が体内にあった時間で換算)
そのため、湿布が貼った場所以外の副作用を起こすことはほとんどありません。(アレルギーは別です)
ただ、錠剤の場合は体の中の薬は徐々に抜けていきますが、湿布は約1日体の中の薬が減りません。大量に長期間貼り続ければ全身の副作用が起こる可能性は確かにあります。
しかし、胃に穴があくほどとなると、急には起こりません。胃潰瘍の時点で耐え難い苦痛がありますし、食欲もなくなります。普通は我慢できなくなって受診します。

・著者は医療従事者として問題あり?
患者が大量に湿布を貼っているのに、「そんなに貼って大丈夫なの?と聞くも、「痛いんだでしょうがないんだわ」と聞く耳も持たず……。」なんて言うようでは看護師失格です。一人前の医療従事者ならば、「そんなに痛いんなら飲み薬を出してもらおう」と説得すべきです。
「食欲不振を数週間訴えてはいましたが、まさか穴があくまでとは……」食欲不振を数週間も放置しています。副作用以外にも持病の悪化などを疑うべきで、対応に問題ありです。

湿布の使い過ぎは確かに問題ですが、誤りだらけの記事をネットに配信するのも大きな問題です。また、医療従事者としての対応もいただけません。著者の方には猛省を願います。

10/29改訂 ロキソニンの錠剤と湿布の換算を最大血中濃度から血中濃度と成分が体内にあった時間に訂正いたしました。


湿布なのに胃に穴が開く!? ロキソニンの湿布は貼りすぎちゃダメ
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=159&from=diary&id=6282256
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