mixiユーザー(id:18012799)

2019年01月28日12:43

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古くて新しい問題

過疎地域では、こうした取り組みを行うしかないんだよね。

このスタイルなら、タクシーの運転免許(準中型二種AT限定)でも対応でき、比較的免許の取得も簡単で、他の地域でも対応可能だよね。

今回はNPO法人というスタイルを取っているけど、地域で組合を作って対応するってスタイルは、古くから見られるもの。

また、行政がコミュニティーバスを走らせる事例もあるけど、これにすると、中型二種免許が必要になってくるうえに、車両の維持費も当然上がる。

公的な金を極力抑止して、地域の足を守るってことになれば、コミュニティーバスよりも、こちらの方が最適な気がする。


廃止された鉄道やバスの代行運行手段ってのは、古くて新しい問題で、鉄道の廃止代替バスの中には、並行する路線バスの方が人口密集地を通るために、最終的には吸収されて維持できなくなったものも出てきている。

中には、鉄道として建設しながら、採算が見込めないためにバス専用道路化した例もある(五新線)。
先ごろ、専用道路部分の旧鉄道施設の老朽化のために、並行する一般道経由路線に吸収されてしまったが。
(この路線については、尾野真千子のデビュー作、「萌の朱雀」に登場する)


同様な事例では、採算が見込めるものの、政治的な駆け引きの結果、鉄道として開業せずにバス専用道として開業させたのち、その専用道路を一般道路に転用して拡幅されて、今や幹線道路になった事例もある。
(阪神バス尼崎〜宝塚線 県道尼宝線の関係)

また、タクシー会社が代行した事例(バスでは採算が取れないので、タクシー会社に委託)では、北海道の士幌線(後に全路線廃止、代替バス化)の末端部分 糠平〜十勝三叉が、極端に利用が少なかったことと、将来の地方ローカル線の大規模廃止に向けたテストケースとするために、地元のタクシー会社に委託し、鉄道切符でそのまま乗車できる形でマイクロバスによる代替バスを運行したことがある。
(鉄道運賃では採算が取れないために、運行経費の差額は国鉄が補助する形)


かつては、維持費用が高い鉄道をバスで代替することに問題が集中していたが、今やバス会社も同様である。

バスの場合、定員の30%の乗車がなければ採算が取れず、車体を小型化しても、乗車率が50%以下で運転手の人件費を賄えなければどうしようもない。

ましてや、地元からの要望のある増便となると、かえって人件費の高騰を招くことになる。


第一、バスの運転手の勤務ってのは、法律で16時間までの拘束が認められており、その割に給与が高くないためになり手が少ないうえに、運賃値上げもままならない状態のために、給与を上げないと運転手が集まらないこととの整合性が取れず、労働環境の改善が進まないこともあり、バス会社はジレンマに陥っている。

さらに、公共交通機関の場合、運転手以外にも法律で求められている運行管理責任者の選任、配置が求められ、当然のこととして管理部門も存在する。
それにかかわる経費も、運賃に上乗せする必要がある。


こうなってくると、過疎地におけるバス路線の維持ってのは、至難の業になる。

公的資金でという声も聞こえるが、自治体の資金も無限ではない。
それに、税金は、その地域だけのものではない。

そうなってくると、必然的に、従来は地域組合による運行(コミュニティーバスやタクシーによる代替輸送がこの形態に近い)ということになってくるのだが、これでも、税金などや委託費用の負担がのしかかることになる。


そこで、利益を上げないということで各種の減税や免税措置が行われているNPO法人を地域組合が設立し、バス並みの運賃負担を利用者に求めて、運行に係る経費全体(人件費、車両維持費、施設維持費、運行管理経費など)から利用者負担を除いた金額を、行政が負担する形式にすれば、最小コストでの運行が可能になり、NPO法人自体も、各種の特例減免措置を受けられるので有利になる。


本当は、ヨーロッパ諸国のように、公共交通機関の維持には多額の費用が掛かり、そのコストは社会的費用であるとして税金で広く国民全体が引き受ける構造が構築されていれば、このような問題は起こりにくい。

しかし、日本の場合は、国鉄でさえ独立採算を求め、地域交通は私企業に求める形をとってきたがために、社会的コンセンサスを得るのは至難の技であり、公共交通の恩恵を最も受けている都会の住民に地方のコスト負担を求めることについても、コンセンサスを得にくい。

地方交付税問題にしても、先ごろの再分配見直しを行おうとして東京都から反発が起こった事例を見ても、そのようなコンセンサスを得るのは難しいと思わざるを得ない。
(これを解消するのは、道州制が一つの答えになるのだが、ここでは割愛する)


いずれにしても、今回の取り組みやスタイルは、現状における最善の方策ともいえ、他の地域に広がって、公共交通機関の維持、拡充が行われていくことを望みたい。



路線バス撤退 NPO運営で便倍増
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5473305
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