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2019年01月16日09:58

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ドラマ「BRIDGE」を見て

このドラマ、全く同じ感想を抱いたんだよね・・・主役と。


震災の日、俺は、仕事のために地震発生直後の早朝の神戸へと向かった。

そこで見た、信じられない光景。

まさに、地獄・・・現実味のない風景・・・。

結局、JR西ノ宮駅までしかたどり着けなかったが、あの光景は、24年たった今も頭の中にこびりついている。
あの時の見たこと、感じたこと、何もかもが鮮明によみがえってくる。

必死になって西宮から大阪に戻り、点けたテレビに移された光景は、俺が見てきた光景よりも、さらに地獄・・・
絶望しかない。
終わった・・・・これしか感想がなかった。


翌日、会社に出社し、夜には動き出したJR神戸線で家に帰った。
暫定的復旧のため、尼崎までの運転で、尼崎からJR宝塚線へ乗り入れる変則運転。

そのため、大阪駅から外側線に普通電車は転線し、塚本駅では、通常使用しない外側線ホームで、転落防止柵越しに乗り降りする、おそらく、もう二度とないであろう暫定も暫定の運転であった。



会社の最寄り駅の近くの居酒屋が、普通に営業している。
電気もついている。

混乱する大阪駅から乗り込んだJR神戸線が淀川を渡る。
向こう岸の西淀川区には普通に明かりがともっている。
対岸の梅田側はもちろん。
十三方向も。

しかし、この列車が向かっている尼崎、さらにその先は・・・。

明かりさえもない、今も火災が燃え盛っている。
がれきに閉じ込められている人がいる。


何が現実で、何がウソなのか?これは夢なのか?

いつも電車や車で通っていた神戸。
いつもなら30分でたどり着けるところに、入る事が出来ない・・・。


塚本駅で降りる。
イレギュラーの外側線での乗降。
(翌日からは甲子園口までの暫定開業で、この変則運転は解消)

そこで見たのは、いつもの風景・・・。
勿論、最も神戸寄りの地域だけに、傷ついている。

しかし・・・
電気は点いている。
水道は普通に出る。
昨日は、一時的にガスが止まったが、今は普通。
駅前の王将は普通に営業している。

でも、ここから神崎川を越えると・・・。

こんなことがあるのか?
なんなんだ?

俺は一体どこにいるんだ?
真実ななんなんだ?
これも真実なら、あれも真実・・・。


あの時の異様なまでの違和感。

主役が、神戸から大阪に戻った時、神崎川の上で感じた違和感。
それを、完全に共有してるんだよなあ・・・。

それ故に、ドラマの冒頭で、一気に没入してしまった。



それに、もう一つの主役ともいえるビデオカメラ。
カメラに残された女の子の無邪気な笑顔。

しぐさや笑ったときの表情、この子ほどかわいくはないけど、娘の姿がオーバーラップした。
一緒なんだよなあ・・・年恰好が一緒なんだよ・・・。



それに、六甲道駅をめぐるエピソード、JR関係者や工事関係者が書き残した資料、実際に有った沿線住民とのエピソードが、大きな脚色を加えられることなく再現、挿入されている。

焼鳥屋のおやじさん、向かい側の旧再開発ビルからの横断幕・・・。
どれも真実なんです。

この物語、85%まで真実なんですよ。



それと、さらりと神戸新聞の左傾化した報道姿勢を、神戸新聞のスタッフという形でdisっている。
震災後に、必死になって被災者の声を取り上げて、生活情報を届けるために頑張ったのは、伝説的であり評価される。

しかし、そうした美談に隠された、左傾化したがゆえに、六甲道の崩壊などを「手抜き工事?」とした報道(これは神戸新聞に限らず左系報道機関が報道したこと)、必死に復旧に勤めていたJRや私鉄、工事関係者、自治体、政府に対する斜め上からの報道など、うまく批判的に挿入している。



よくぞ、単なるお涙ちょうだい、震災ドキュメントに終始しない形で、本当のことをここまでドラマ化してくれて、ありがとうと言いたい。



追記

このドラマの放送中に、淡路島を震源とした地震が発生した。
あの阪神大震災の震源地。
これは、このドラマに対する、被災者のあの世からのエールかもしれない。


そして、運転再開時の光景を撮影した駅、よく見たら、奈良駅やね。




■井浦新、阪神・淡路大震災慰霊の地を訪問「未来に伝えるために」
(ドワンゴジェイピーnews - 01月15日 12:11)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=217&from=diary&id=5456943
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